今季チーム内に負傷者が続出しているリヴァプールだが、そのなかでも特に心配なのがセンターバックだ。最終ラインの要だったフィルジル・ファン・ダイクに加え、彼の相棒として奮闘していたジョー・ゴメスも離脱。現在はジョエル・マティプとMFを本職とするファビーニョのコンビで、なんとか急場を凌いでいる状況だ。
この苦しい台所事情を、リヴァプールは今後どう切り抜けていくのか。現時点では比較的うまく各コンペティションで勝ち点を拾うことができているものの、敗戦や引き分けの数は万全の状態で戦っていた時と比べて明らかに増えている。代役選手たちは奮闘しているのだが、冬の移籍市場で彼らはある程度の補強を敢行すべきかもしれない。
そんななか、現地メディアが盛んにリヴァプールへ獲得を勧めるのがナポリに所属するDFカリドゥ・クリバリだ。「ファン・ダイクの穴を埋めるだけでなく、彼が復帰すればクリバリは最高のパートナーにもなれる。獲得として損はない」。先日、英『Daily Mail』はこのように綴っていたが、まさにその通りと言えるか。ファン・ダイクにも匹敵する実力の持ち主として、長い間その動向に注目が集まっている同選手。今冬獲得できれば、リヴァプールにとってはこの上なく大きな戦力となるはずだ。
しかし、クリバリが移籍を決断するかは微妙なところ。これまでも様々な噂が浮上するなかで、彼はナポリ愛を貫いてチームに留まってきた。気がつけば、もう29歳。愛する南イタリアのクラブでキャリアを全うする決意を固めていても、なんらおかしくはない。だが、そうではなかった場合にクリバリの説得は案外すんなり運ぶかもしれないと、リヴァプールOBのジョン・バーンズ氏はブックメイカー『BonusCodeBets』へ次のように語っている。
「離脱期間は長いが、ファン・ダイクが戻ってくればクリバリは彼と一緒にプレイすることが可能になる。他のポジションの選手ならいざ知らず、この特権はDFにとって非常に魅力的なはずだ。それに、今なら出場機会が保証されているのも大きいね。まだシーズン真っ只中の冬に移籍を決断することは、選手からしてみればリスクが伴う。その点、今のリヴァプールでなら彼はすぐに守備陣の柱として扱われるはずだ。チャンピオンズリーグに出場できるという利点も無視はできないはずだよ。ナポリに愛着がある場合は別だが、リヴァプールへの移籍はクリバリにとって良いことづくめな気がするよ」
最終ラインに不安を抱えるリヴァプールだが、冬の移籍市場でクリバリを補強できれば言うことはないか。万全の状態に戻れば、ファン・ダイクとクリバリの鉄壁CBコンビが完成する陣容。J・ゴメスや若い選手たちの出場機会が減るという懸念こそあるものの、チーム力は格段に上がるはずだ。はたして、今冬リヴァプールはどのようにして現在の危機的状況の打開を図るのだろうか。29歳の怪物DFは全ての問題を解決できる存在と思われるが、ユルゲン・クロップ監督の考えはいかに。