弱点を改善できる存在ではないのか マンCが狙うDF補強に疑問の声

マンC移籍が濃厚とされるアケ photo/Getty Images

ボールテクニックは優秀だが……

マンチェスター・シティがある1人のDF獲得に迫っている。ボーンマスに所属するオランダ代表DFネイサン・アケだ。

ボールの扱いに優れたセンターバックであるアケ。同選手に関しては、かねてより各方面からマンCの展開するサッカーにフィットするとの声があり、ジョゼップ・グアルディオラ監督もその能力を高く評価しているとされる。ボーンマスが降格したこともあって、シチズンズが獲得に動くのは必然とも言えるだろう。現地メディアによると、獲得はすでに秒読み段階だとも伝えられている。

今季最終ラインの枚数不足に悩まされたマンCにとって、アケはまさに理想的な補強候補か。しかし、地元メディア『Manchester Evening News』はこのアケ獲得を手放しで喜んではいない様子だ。一体なぜか。理由はアケがマンCの弱点を補完できる存在ではない可能性が高いためだ。
その弱点とは、セットプレイ時における空中戦。身長よりもボールテクニックに特化した選手をスタメンに選ぶだけあって、これは以前よりマンCが改善すべき課題とされている。しかし、そんな中で獲得候補に挙がっているアケの2019-20シーズンにおける空中戦勝率は47.33%。これは今季プレミアで900分以上プレイしたCBの中でワースト10に入る数字だ。

さらに自陣ボックス内だけに限定してみると、その空中戦勝率は35.7%にまで下落する。助走をつけた際のエアバトルでは身長180cmということを感じさせないジャンプを披露するアケだが、狭いスペースでの空中戦は得意としていないことが見て取れる。

ボールテクニックは申し分ないものを持っているのだが、その他の部分を見てみると少し物足りない印象の残るアケ。獲得の噂が出てからは、各方面から「アイメリック・ラポルテがいるのに、なぜ左利きのCBを獲得するんだ?」という声も上がっている。たしかに弱点を補強するならば、マンCが最も獲得すべきは“右利きのエアバトラー”だと言えるか。

グアルディオラ監督がこれをどう考えているかはわからないが、指揮官の目にはアケがこれらのデメリットをも上回る恩恵をチームにもたらす未来が映っているのかもしれない。少し不思議な補強となるが、アケ獲得が決まった際にはその起用法に注目が集まる。

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