攻撃面でも右サイドを支配せよ マンU“スパイダー”が目指せるパーフェクトSB

マンUのワン・ビサカ photo/Getty Images

リーグ戦再開後に披露する急成長

「1対1において、彼は世界最高のDFだ」。先日、リヴァプールなどで活躍したジェイミー・キャラガー氏はマンチェスター・ユナイテッドに所属するDFアーロン・ワン・ビサカをこのように評している。今季赤い悪魔の右サイドで圧倒的な守備力を披露している選手だけに、この評価は多くの人が納得するはずだ。

その長い足でボールを絡め取ることから、チームメイトの間では“スパイダー”との愛称で親しまれているワン・ビサカ。鋭いタックルで相手アタッカーの進撃を阻むシーンは、もはやプレミファンの中でお馴染みの光景だ。

そんな守備力に長けた選手であるワン・ビサカ。だが、ディフェンス面に関して最高級の称賛を受ける一方で、彼にはもう少しだけ攻撃力が欲しいとの指摘もあった。一定のレベルにはあるのだが、その素晴らしい守備力と比較すれば少々物足りない。人というのは多くを求めるもので、ワン・ビサカのさらなる成長に期待する声は少なくなかったのだ。
ワン・ビサカからしてみれば、少々厄介な意見だったかもしれない。より攻撃を意識すれば、最大の売りである守備に影響が出かねない。しかし、この22歳は周囲のもはや無責任とも言えた期待に見事応えようとしている。リーグ戦中断前までの出場29試合でたった2つしかアシストを記録していなかったワン・ビサカだが、この男は再開後の5試合で早くも2アシストをマークしているのだ。

「かねてより彼のテクニックに問題はなかったのだが、攻撃時のポジショニングと判断にはやや迷いがあった。だが、リーグ戦再開と同時にその問題も解決したように見える。今の彼は自信を持って前を向いている。ボールを喜んで受け取るし、自分自身にスキルがあることを理解したようだ。自分が良いポジションにいれば高品質のパスとクロスを供給する。我々は今、ユナイテッドの右SBが相手にとって本当の脅威となる瞬間を見ている」

この変化には英『90MiN』も驚いたようで、このようにマンUの若き右SBを称賛している。ファンの期待という高すぎるハードルをいとも簡単に飛び越えそうなワン・ビサカ。はたして、彼は今後どこまでの選手に成長していくのだろうか。“スパイダー”が世界最高級のパーフェクトSBとなる日もそう遠くはないかもしれない。

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