W杯でまさかのトンネル “イングランド黄金世代”を襲ったGKの悪夢

ゴールを守っていたグリーン photo/Getty Images

カペッロが振り返る

スティーブン・ジェラード、フランク・ランパード、ジョン・テリーら黄金世代と呼ばれた選手たちを抱えていたイングランド代表にとって、2010南アフリカワールドカップは非常に苦い思い出となってしまった。

当時のイングランドは名将ファビオ・カペッロが指揮していたのだが、GK問題に頭を悩ませることになったのだ。

この時はロバート・グリーン、ベテランのデイビッド・ジェイムス、そして若かったジョー・ハートの3人が召集されていたのだが、グループステージ初戦のアメリカ代表戦でグリーンが正面に飛んできたシュートをまさかのトンネル。
ここからゴールを誰に任せればいいのか分からなくなり、イングランドは迷走することになった。

英『The Guardian』によると、カペッロは当時選手たちに誰をGKに据えたいか質問したと振り返る。

「何も言うことはできないよ。誰だってミスをする。グリーンがミスをし、私は代えた。ジェイムスを選択したんだ。ハートもいたが、まだ子供だった。選手たちにハートか、ジェイムスかと聞いたよ。選手たちが信頼していたから、ジェイムスに任せたんだ。ジョン・テリーらDFがジェイムスの方を信頼していたからね」

黄金世代と呼ばれたイングランドはデイビッド・ベッカムやマイケル・オーウェンなど豪華なタレントを抱えていたが、ワールドクラスのGKだけは不足していた。それは南アフリカ大会でも続いており、最後までイングランドはリズムを取り戻せなかった。

結局イングランドはベスト16でドイツ代表に1-4で敗れ、もやもやを抱えたまま大会から姿を消した。カペッロはドイツ戦でランパードのループシュートが決まっていれば流れは変わっていたと信じているようだが、初戦のアメリカ戦をミスで引き分けたところからリズムが狂い始めていたのは間違いない。

信頼できるGKがいれば、黄金世代のイングランド代表の結果も変わっていたか。

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