今季からアントニオ・コンテ監督が指揮を執っているインテルの最終ライン。開幕当初、ファンの多くはミラン・シュクリニアル、ステファン・デ・フライ、そして昨夏アトレティコ・マドリードから加わったディエゴ・ゴディンの3バックが軸になると考えていたのではないだろうか。
セリエAで経験豊富なシュクリニアルとデ・フライに加えて、ウルグアイ代表で十分な実績を誇るゴディン。夢の3バックが完成したとファンは歓喜したことだろう。しかし、意外な存在がその3バックに割って入った。20歳のアレッサンドロ・バストーニだ。
かねてより期待の若手との評価は与えられていたが、まさかこの男が今季これほど存在感を放つことになるとは多くの人がそれほど予想していなかったはず。ここまでリーグ戦14試合に出場している同選手。ゴディンから完全に定位置を奪うのも時間の問題か。
そんなバストーニの最大の売りが攻撃性能だ。巧みなパス、ドリブルで状況を打開できる能力こそ、この20歳が出場機会を得ている理由と言ってもいいだろう。そんなバストーニのオフェンス能力には、クラブOBのジュゼッペ・ベルゴミ氏も舌を巻いているようだ。伊『Gazzetta dello Sport』へ寄稿したコラム内で、同氏はこの若手DFを次のように評している。
「私バストーニのことを古くから知っていたよ。かねてより1999年生まれの選手の中では最強の1人と言われていたね。本当に目立っていたんだ。しばらくの間、私は彼の成長を見守っていたが、今ではフィジカル的にもテクニック的にも本当に優れた選手になった。特に左利きなのは良いね。今日のサッカーで左利きのCBはとても重要な存在だ。彼はビルドアップ能力も優れているが、特筆すべきはそのドリブル技術。素晴らしいものを持っているよ」
どうやら、ベルゴミ氏がバストーニの能力で最も評価しているのはそのドリブル性能なようだ。しかし、その一方でCBとして一番重要な守備能力をバストーニはこれからもう少し改善すべきだとも同氏は考えている様子。ベルゴミ氏は次のように続ける。
「ただ、彼の本業は守備だ。そちらを疎かにしてはいけない。彼のポジションを務める選手は1対1に強く、背後のスペースをカバーしなければいけないんだ。さまざまな状況を想定して動くことも重要。これらの観点からすると、バストーニはまだ足りないかな。適切なタイミングでボールを刈り取る術を身につけてほしいね。ワールドクラスになるためにこれは必要不可欠な要素だよ。でも、とりあえず今はコンテの言うことをきちんと聞いて成長していってほしいかな」
まだ若い選手だけに課題はある。はたして、今回ベルゴミ氏に指摘された守備性能をバストーニは今後どのように改善していくのだろうか。強みを消さぬまま、課題を少しずつ克服していってほしいところだ。
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