久保建英に負けるな 東京五輪のエースとなるべきは“マラドーアン”だ

東京五輪世代の堂安 photo/Getty Images

世代を引っ張ってきた男に求められる残り8カ月の結果

来年の東京五輪でメダル獲得を目指す日本代表には、非常に興味深いタレントが揃っている。特に攻撃陣はA代表の常連組となりつつある18歳のMF久保建英、バルセロナBで奮闘を続ける20歳のFW安部裕葵、今夏のコパ・アメリカ終了後にベルギー挑戦へ踏み切った22歳MF三好康児、さらにはスコットランドのハーツで印象的な活躍を見せる21歳の食野亮太郎も楽しみな選手だ。

ただ、誰が前線を引っ張っていくのか今ひとつはっきりしない。2列目はタレントがひしめいているが、絶対的エースと呼べる選手がいないのは気にかかる。安部もリーガ・エスパニョーラの舞台でプレイしているわけではなく、三好も所属するアントワープではポジションを確保できていない。

おそらく最も期待されている才能はレアル・マドリードからマジョルカにレンタル移籍している久保だろうが、久保も最高のシーズンを過ごしているわけではない。マジョルカは残留争いに巻き込まれており、久保もまだゴールを決めることができていない。A代表でもマジョルカでもスタメンを確保しているわけではなく、東京五輪を戦う世代別代表の絶対的エースには指名しづらいものがある。

年齢制限を受けないオーバーエイジの選手を招集し、先輩選手に引っ張ってもらうのも1つの手だ。しかし、やはりこの世代を引っ張るのはオランダの名門・PSVへの移籍を果たした21歳MF堂安律ではないか。堂安は10代の頃から注目されていたプレイヤーで、ここまでは順調にステップアップしてきている。エールディヴィジのフローニンヘンに移籍し、2年後に名門PSVに引き抜かれる流れは若手選手にとって理想的なルートと言っていいだろう。

ただ、ここ最近は日本のサッカーファンからも批判的な意見が出てきている。問題はA代表でのパフォーマンスだ。昨年10月に行われたウルグアイ代表との親善試合で1得点1アシストを記録し、今年1月のアジアカップで2得点を記録したところまでは良かった。しかし、代表での得点は1月24日のベトナム代表戦を最後にストップしている。味方にスペースを作ったり、守備で体を張ったりとチームに貢献しているのは事実だが、2022カタールワールドカップ・アジア予選で目立った結果を残せていないことがサポーターの印象を悪くしてしまっている。

左サイドから積極的に仕掛ける中島翔哉も不用意なボールロストは目立つが、それでもゴールに直結するプレイが多い。突破力や攻撃のアイディアは堂安を上回ると言っていいだろう。トップ下の位置から毎試合のようにゴールを決めている南野拓実にも文句はつけられない。森保ジャパン最大のストロングポイントとされてきた2列目で最も能力が疑われている選手が堂安なのだ。

何より、ベンチには同じレフティーの久保が控えている。結果が出せないなら久保をスタメン起用してほしいとサポーターが声を挙げるのは当然のことだ。しかも先月10日のモンゴル戦ではベルギーのヘンクで活躍する伊東純也も3アシストの働きを見せた。堂安の立場はますます危ういものとなっている。

それでも、やはり東京五輪で攻撃陣のリーダーとなるべきは堂安だろう。堂安は2017年のU-20ワールドカップで3得点を記録し、日本をベスト16入りに導いた実績もある。この大会でも久保は招集されていたが、主役となっていたのはイタリア戦でのビューティフルゴールから「マラドーアン」とまで名付けられた堂安の方だ。最終ラインには現在ボローニャで活躍する冨安健洋が構えており、攻撃の堂安、守備の冨安としてこの世代を引っ張り続けてきたのだ。

久保の才能はとてつもないレベルにあるが、まだ欧州でもA代表でも特別な実績を残したわけではない。もちろん今後の活躍次第で立ち位置は変わってくるが、現段階で久保が堂安より圧倒的に上と言い切るのは難しいだろう。才能は上かもしれないが、実績はやや堂安の方が上と言っていい。リーガ・エスパニョーラとエールディヴィジでは環境が異なるものの、堂安はフローニンヘンでもまずまずの結果を残してきた。やはり東京五輪世代の中では特別な選手だ。

東京五輪のサッカーがスタートするまで残り約8カ月。本田圭佑らオーバーエイジ招集を狙う先輩プレイヤーたちも動き始めている。彼らオーバーエイジも魅力的な戦力だが、東京五輪を戦う日本代表を引っ張るべきは堂安だ。まずはPSVで国内、ヨーロッパリーグの両方で満足な結果を残し、そして五輪本番までにA代表でもゴールが欲しい。ここまで順調すぎるステップアップを果たしてきた堂安にとっては試練の時だが、残り8カ月で東京五輪のエースはオレだと周囲を納得させるパフォーマンスを見せてほしい。

●最新情報をtwitterで見よう!

twitterアカウント
https://twitter.com/theWORLD_JPN/

記事一覧(新着順)

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

最新号を無料配信中!
電子マガジン「ザ・ワールド」
No.239 “魅せる”新監督
theWORLD(ザ・ワールド)は世界中のサッカーを網羅する、日本初のスマートデバイス対応フリーミアム 電子マガジン!

雑誌の詳細を見る

人気記事ランキング

INFORMATION

記事アーカイブ