[MIXゾーン]決勝点を奪った大分の後藤、J1は「考えさせられるリーグ」

マウリシオ(左)のディフェンスに苦労したと語る後藤(右)photo/Getty Images

頭を使いながらプレイしていると、疲れが足にくる

18日(金)、埼玉スタジアムでJ1第29節の浦和-大分が開催され、追加時間3分というなか終了間際の93分に後藤優介が決勝点をマークし、大分が1-0で競り勝った。しかし、試合は前半こそ一進一退の攻防だったものの、後半になると大分は完全に劣勢となり、自陣に押し込まれる時間が続いた。前半のシュート数は大分2本に対して浦和3本だったが、後半は2対11と5倍以上のシュートを浴びている。

それでも大分が勝点3を得たのは、劣勢の時間帯を無失点で乗り切ったからだった。耐えに耐えた先に待っていたのが、片野坂知宏監督が「チームとして最後まで諦めなかったことへの“ご褒美”」と表現したロングカウンターから奪った決勝点だった。得点者となった後藤優介はこの日、[3-4-2-1]の頂点となる1トップで先発し、後半途中からはシャドーのポジションでプレイした。押し込まれる時間が続くなか、どのような意識でプレイしていたのだろうか?

「前線の選手が(浦和に)ボールを入れさせないプレスをかけ、マイボールは高い位置でキープしないといけませんでしたが、相手が圧をかけてきてなかなか時間を作れませんでした。FWとしてもっとガマンしてキープしないといけないと試合中に感じていました。ただ、最終ラインから前線までバランスを崩さず粘り強く、ガマン強くプレイできたことは良かったと思います。あまり下がり過ぎると奥行きがなくなるので下がり過ぎないことを意識していたのですが、もう少し自分たちからボールを取りにいくことができたら良かったです。頂点にいたときも、シャドーにいたときもそう感じていました」
たしかに、後藤優介に限らず攻撃陣がなかなか前線でボールをキープできず、必然として大分は効果的なビルドアップができなかった。その要因は安定感抜群だった浦和のCBマウリシオの存在で、絶妙なポジショニングで最終ラインに立ちはだかり、大分が入れるくさびのパスを多くの場面で前に出てインタセプトしていた。

「身体があまり大きくないので動き出しのタイミングを意識しているのですが、(マウリシオに)そういう部分を消されていたので難しかったです。1トップだったので裏へ抜け出す狙いがあったのですが、自分のところを消してきました。勝ちはしましたが、自分自身のプレイは良くなかったです。チームに助けられました。相手が頭を使って守備をしていたので、パスを出すところがなくて後ろの選手は大変だったと思います。ボールをキープするところ。パスの受けるときの動き出しのタイミングなど、個人としてもっと高めないといけないです」

後藤優介は2013年にもJ1でプレイしているが、このときは3試合の出場にとどまっている。久々のJ1でシーズン終盤を迎えるいま、なにを感じているのか。J1というリーグの特長、印象についても聞いてみた。

「やっぱり、ひとつひとつのプレイの質や強度が違います。また、判断も早く、今日もそうですが、すごく頭を使ってディフェンスしているなと感じることが多いです。自分も頭を使ってプレイしなければならず、そうするといつの間にか足に疲れがきます。身体にダメージがくる場面が増えていて、やっぱりJ1は違います。頭を使ってプレイしなければならない。考えさせられるリーグだと感じています」

とはいえ、プレイする難しさがあるからこそ、いまは大いなる充実感も得ている。

「うまくなりたいという気持ちを持ちながら続けていかないと、すごくもったいない。いまそういう気持ちでプレイができているのは、自分にとってすごく大きいです。こうして(決勝点という)結果に出ることもあるので、これからも変わらない気持ちでやり続けていきたいなと思っています」

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