コパ・アメリカもノックアウトステージに突入。準々決勝第1戦は開催国ブラジルとパラグアイのカードとなった。
カゼミロを出場停止で欠くため中盤にはアランを置き、右サイドバックはダニ・アウベス。さらに上り調子のエベルトン、ジェズスを前線起用と攻撃的な布陣で臨んできたブラジル。対するパラグアイはマンマーク気味の守備で潰しにかかる。
タイトな守備をかいくぐろうとするブラジル。特に右サイドのジェズスが起点となってチャンスを作りかけるが、パラグアイは最後の局面でチャンスを潰し、決定的な場面を作らせない。
守備に追われていたパラグアイだったが、29分にようやくビッグチャンス。左サイドから右へ大きく展開したボールをボレーで叩くが、これはアリソンがビッグセーブを見せ、ブラジルのピンチを救う。次第に攻撃の圧力を高めるブラジルを、パラグアイはイエローカードを複数枚もらいながらもなんとか封じ込め、前半をスコアレスで終了。
後半、ブラジルはアレックス・サンドロを投入。コレクティブなパスワークを駆使して崩しにかかるが、やはりなかなか決定機は訪れない。
しかし54分、スルーパスに抜け出したフィルミーノがバルブエナに倒される。PKかと思われたが、VARチェックの結果、接触はPAの外という判定。バルブエナにはレッドカードが提示された。
数的優位を得たブラジルは、中盤のアランに代えてアタッカーのウィリアンを投入し、人数をかけてパラグアイを崩しにかかる。しかし放つシュートはことごとく枠を外れ、サポーターの期待する先制点をなかなか手にすることができない。
同点ならば延長戦なしのPK決着となる準々決勝。ブラジルは過去、パラグアイとのPK戦では2度続けて敗れており、嫌な記憶がよぎる。88分にフリーキックに合わせたヘディングもフェルナンデスの好守に遭い、ゴールネットを揺らすことはない。90分に放ったウィリアンのミドル弾も左ゴールポストを叩いてしまう。
アディショナルタイムは7分。しかしブラジルは数的不利ながらも必死に体を投げ出すパラグアイの堅守を崩しきれず、勝負はついにPK戦にもつれ込む。
迎えたPK戦、まずはGKアリソンが存在感を発揮。1人目のゴメスのキックをいきなりストップし、良い流れを作り出す。ブラジル4人目のキッカーを務めたフィルミーノが枠外にシュートを外してしまい、勝負は五分に戻されたかと思われたが、パラグアイも4人目のゴンサレスが失敗。ブラジルは5人目のジェズスが落ち着き払ったキックを左隅に沈め、死闘は決着となった。
パラグアイは数的不利に陥りながらも、集中した守備でブラジルの攻撃を完封。23本のシュートを浴びながら、賞賛されるべき戦いを見せた。ブラジルは過去2度にわたる悪夢の再現かと思われたが、見事にプレッシャーを跳ね除け、準決勝に駒を進めることに成功している。
[メンバー]
ブラジル:アリソン、フェリペ・ルイス(→サンドロ 46)、チアゴ・シウバ、マルキーニョス、アウベス(→パケタ 84)、アラン(ウィリアン 71)、アルトゥール、コウチーニョ、エベルトン、ジェズス、フィルミーノ
パラグアイ:フェルナンデス、アロンソ、バルブエナ(→退場 58)、ゴメス、ピリス、オルティス、サンチェス(→エスコバル 78)、アルサメンディア(→バルデス 61)、ペレス(→ロハス 75)、アルミロン、ゴンサレス
[スコア]
ブラジル PK4-3 パラグアイ
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