サポーターからの反発は強そうだが
かつてチームを主将として牽引した男が、古巣に電撃復帰を果たすかもしれない。バイエルン・ミュンヘンのDFマッツ・フンメルスにドルトムント移籍の可能性が浮上している。
そう報じたのは独『Sport Bild』だ。同メディアによると、今季バイエルンと激しい優勝争いを繰り広げたドルトムントは守備のリーダーとなれる存在を探していたところ、フンメルスに白羽の矢が立ったという。バイエルンのニコ・コバチ監督もフンメルス放出を了承しており、両者はすでに正式な交渉を開始しているとのこと。移籍金は1500万~2000万ユーロ(約18億~24億円)程度になる見通しだとも同メディアは伝えた。フンメルスはバイエルンで年間1200万ユーロ(約15億円)の給料を受け取っているとされるが、移籍が決定すれば減俸を受け入れる必要があるようだ。
バイエルンの下部組織出身であるフンメルスは、2008年にドルトムントへ完全移籍。そこからディフェンスリーダーとして絶対的な地位を確立し、リーグ連覇やDFBポカール優勝に貢献した。その後の2016年にバイエルンへ復帰。同クラブでも守備の要としてブンデスリーガ3連覇を果たした。
しかし、チームには来季からバンジャマン・パヴァールとリュカ・エルナンデスという新進気鋭のセンターバックが加わることとなった。フンメルスの出場機会が減少する可能性高くなった今、ドルトムントが手を挙げた格好だ。
フンメルスが加入となれば、ドルトムントの守備力はさらに向上するだろう。30歳の経験は、若手の多いチームに落ち着きをもたらすはずだ。しかし、サポーターに受け入れられるかという懸念もある。2016年のバイエルン移籍の際、彼らからの反発を受けたフンメルスには数々の批判の言葉がぶつけられたのだ。その後の直接対決では激しいブーイングも浴びている。
過去の因縁が気になるところではあるが、はたしてフンメルスはシグナル・イドゥナ・パルクへ帰ってくるのか。復帰を果たしたとしても、しばらくはサポーターから「どの面を下げて帰ってきた」となじられることになりそうだが……。