VARがなかったらCL決勝はリヴァプールVSマンC!? 技術が生んだドラマ

VARで運命変わったマンC photo/Getty Images

今季は特別なCLに

今季のチャンピオンズリーグでは劇的なゲームが目立ったが、その中で主役級の存在感を放ってきたのがビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)だ。VARの導入によって際どいプレイがチェックできるようになったが、逆にこれが劇的ドラマを生む要素になっている。

英『BBC』は、もしVARがなかったら今季のチャンピオンズリーグはどうなっていたか?と題した特集を組んでいる。ベスト16の戦いから振り返ると、パリ・サンジェルマンVSマンチェスター・ユナイテッドのゲームをひっくり返したのもVARだった。運命が変わったのは2ndレグの後半アディショナルタイム、マンUのジオゴ・ダロトが放ったシュートがDFプレスネル・キンペンベの手に当たり、VARによってPKと判定されたのだ。仮にVARがなければ、このハンドは見逃されていたかもしれない。そうなればパリ・サンジェルマンがベスト8進出だ。

アトレティコ・マドリードVSユヴェントスの1stレグでも際どい判定があった。まずは前半27分、アトレティコFWジエゴ・コスタがペナルティエリア付近でユヴェントスDFマッティア・デ・シリオに倒され、主審はPKと判断した。しかしVARでチェックすると、ファウルがあったのはエリアの外。PKは取り消されることになった。VARがなければ、この時点でアトレティコが1点先制していた可能性が高い。
さらに後半にはアトレティコFWアルバロ・モラタがクロスにヘディングで合わせて得点を奪ったが、直前にDFジョルジョ・キエッリーニを押したとVARで判定されてゴール取り消しに。アトレティコは2点を失ったようなものだ。同メディアは2つとも正しい判定だったと分析しているが、VARがなければ上に進んでいたのはアトレティコだったはずだ。

そして最後に、最も劇的だったマンチェスター・シティVSトッテナムの2ndレグを忘れてはならない。後半アディショナルタイム、トッテナムはクリスティアン・エリクセンが不用意なバックパスを出してしまい、これを拾ったセルヒオ・アグエロからラヒーム・スターリングにボールが渡ってマンCが勝ち越し点を決めた。大盛り上がりとなったが、VARで検証した結果アグエロの位置がオフサイドだった。まさに天国から地獄で、マンCはベスト8で姿を消すことになった。

同メディアはこの判定がなければマンCがファイナルへ進んでいた可能性もあると考えており、今季の決勝はマンCとリヴァプールによるプレミア頂上対決となったかもしれない。プレイするのは選手たちだが、今季のチャンピオンズリーグでVARが1つの主役となっていたのは間違いない。今後も何かとドラマは起きるはずで、テクノロジーの導入でチャンピオンズリーグがまた1つ変わってきている。

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