スター選手が揃うビッグクラブが上位争いをするのも楽しいが、開幕前はそれほど注目されていなかったチームが上位争いに絡んでくるサプライズもサッカーの醍醐味の1つだ。シーズンも終盤戦に入ったが、今季を振り返るとサプライズを起こしたクラブが多かったように思える。
英『Squawka』が今季の欧州サッカーを盛り上げたサプライズチームを特集しているが、いずれも興味深いチームばかり。特に攻撃力が1つの注目ポイントに上がっており、彼らはビッグクラブと渡り合うだけの破壊力を備えている。
・アヤックス
まずは何と言ってもアヤックスだ。チャンピオンズリーグでベスト4にまで進む快進撃を見せており、国内リーグでもPSVから首位を奪ってみせた。その攻撃力は脅威で、すでに国内リーグの得点数は106点に達している。フレンキー・デ・ヨングやマタイス・デ・リフトらを中心に、今季の欧州サッカーをかき回した超サプライズチームだ。
・フランクフルト
ドイツからは長谷部誠が所属するフランクフルトも見逃せない。ルカ・ヨビッチ、アンテ・レビッチ、セバスティアン・ハラーで構成される前線は今季大ブレイクし、ブンデスリーガで最も破壊力あるトリオと見ていいだろう。ヨーロッパリーグではインテルを撃破、国内リーグではチャンピオンズリーグ出場権獲得に近づくなど、結果の方も申し分ない。
・リール
フランスからはリールだ。こちらはリーグ戦19得点11アシストのFWニコラ・ペペが注目を集めており、今夏にはステップアップを果たすだろう。ペペが引き抜かれた場合、リールは競争力を失うかもしれない。しかしリーグ戦では先日も王者パリ・サンジェルマンを5-1で粉砕するなど、十分なインパクトは残した。サポーターは今季のチームを忘れないはずだ。
・アタランタ
セリエAの攻撃集団といえばアタランタだ。超攻撃的な3バックを武器に、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ率いるチームは現時点でリーグ戦64得点を記録。これは首位ユヴェントスと1点しか変わらない驚異的な数字だ。現在は6位につけており、このサッカーを来季欧州カップ戦で見てみたいところだ。
・サンプドリア
同じセリエAからはサンプドリアも選ばれている。こちらはチームというより、36歳のベテランFWファビオ・クアリアレッラの活躍が目を引く。ここまでリーグ戦22得点と得点ランク首位を走っており、36歳で全盛期を迎えたようなイメージだ。
・ベンフィカ
ベンフィカはポルトガルを代表する名門クラブで、結果を出していることに違和感はない。しかし今季のチームは特別だ。19歳MFジョアン・フェリックスを筆頭に、MFゲドソン・フェルナンデス(20)、DFルベン・ジアス(21)、など欧州トップクラブから狙われる才能豊かな若手が揃っている。国内リーグでは勝ち点こそ2位FCポルトと並んでいるが、得点数はダントツでリーグ1位の81得点を挙げている。今季のチームはベンフィカの歴史に残るものかもしれない。
・ヘタフェ
リーガ・エスパニョーラからは5位と大健闘するヘタフェだ。ヘタフェといえば日本代表MF柴崎岳の所属しているクラブで、チャンピオンズリーグ出場権すら狙えそうな気配がある。柴崎が絡めていないのは少々残念だが、ヘタフェがここまで順位を上げてくると予想していた人は少なかったはずだ。
リーガ、セリエAは優勝争いこそ盛り上がりに欠けたが、アタランタやヘタフェのような中堅クラブの頑張りによって欧州カップ戦出場権争いが盛り上がりを見せている。チャンピオンズリーグではアヤックス、ヨーロッパリーグではフランクフルトと最高峰の舞台でもサプライズが起きており、今季は特別な面白さがあったシーズンと言えよう。