岡崎慎司の”後継者”はいるのか!? 大迫の代役探しよりも重要なこと

日本代表でゴールを重ねてきた岡崎慎司 photo/Getty Images

ゴール前に飛び込む選手少なく

森保ジャパン発足から常に課題の1つに挙げられてきたのが、大迫勇也の代役探しだ。大迫は昨年のロシアワールドカップでもベスト16入りに大きく貢献し、今年のアジアカップでも絶対的な存在となっていた。世界の屈強なDFに当たられても負けない強さ、ボールを失わない確かな技術、周りの選手を活かす視野の広さなど、大迫にしかできないプレイは多い。今となっては大迫が最前線にいなければ攻撃の形が作り出せないような状況となっており、大迫依存から脱却するのは森保ジャパンのテーマでもある。

しかし、ここ最近は大迫の代役探しに話題が集中しすぎてはいないだろうか。現在の日本代表は中島翔哉、南野拓実、堂安律の3人で構成される2列目が1つのストロングポイントになっており、彼らを活かすには大迫のポストプレイが欠かせない。ただし、前線でボールを収められる選手ばかり探していることには違和感もある。今の日本代表に不足しているのは、岡崎慎司のような選手ではないか。

大迫のように前線でボールを収められるかどうかばかりが話題になるが、今の日本には裏への抜け出しを強く意識する選手が少ない。岡崎は必ずクロスに飛び込み、常にゴール前へ顔を出していた。今回のコロンビア代表戦、ボリビア代表戦でも自慢の2列目がミドルシュートを放つシーンは何度もあったが、クロスに果敢に飛び込む選手は少なかった。岡崎はロシアワールドカップでも主力組に入れず、森保ジャパンでも召集されていない。その岡崎の代わりを務める選手が今の日本にいるだろうか。

2列目がストロングポイントになっている今の状況は、どこかアルベルト・ザッケローニが指揮した頃と似ている。アジアカップ2011では前田遼一が1トップを務めたが、前田に求められていたのは香川真司、本田圭佑、岡崎で構成される2列目の能力を最大限引き出すことだった。現在の中島、南野、堂安の2列目とどちらが上かは意見の分かれるところだが、当時も2列目の3人をどう活かすかが1つのテーマになっていた。

その中で岡崎は非常に重要な存在だった。香川、本田、中島らに比べれば岡崎は技術面で劣るところがある。美しいロングパスを出すこともなければ、ドリブルで相手DFを華麗に抜き去るシーンもほとんどない。しかし、2列目の右サイドから常にゴール前へ飛び出すタイミングをうかがっていた。あの裏への意識もザックジャパンの強みだったのだ。

ザックジャパンでは左サイドの香川、オーバーラップしてくる長友佑都を軸にチャンスを作り出す機会が多く、左で作って右で仕留める形が出来ていた。今の代表も左サイドで中島が違いを生み出すことができ、長友も入ってくれば左サイドは再びのストロングポイントになるだろう。ただ、右で仕留めてくれる選手がいない。長友が左サイドを駆け上がってクロスを上げる時、当時は必ず岡崎がゴール前へ飛び込んでいた。南野や堂安も中でチャンスはうかがっているものの、彼らは体を投げ出してダイビングヘッドにトライするようなタイプではない。堂安も足下でボールを受けてカットインからフィニッシュへ繋げるアタッカーで、今の日本はクロスから相手に脅威を与えられなくなっている。

大迫の代役探しも難しいミッションだが、岡崎の代わりを見つけてくるのもかなりハードだ。大迫の場合は現在も主力なため、2022カタールワールドカップまで後継者探しを後回しにすることもできる。ただし森保一監督が今後岡崎を呼ばないのであれば、岡崎に代わるゴール前へ飛び込むファイター型のFWは今すぐ見つけなくてはならない。今では多くの日本人選手が海外でプレイしているが、岡崎のような典型的なストライカータイプは見当たらない。そう簡単に後継者は見つからないだろう。

岡崎は派手なテクニックなどは持ち合わせていないが、何より日本代表歴代3位となる通算50得点を記録した実績がある。岡崎がいかに重要な存在だったのか、日本のサッカーファンは誰もが理解している。注目を集めてきたのは本田や香川の方だが、ネットを揺らし続けてきたのは岡崎だ。数字の面から考えると岡崎の後継者探しは大迫の代役を見つけるよりも難しいと言えよう。

FWに一番求められる仕事は得点を奪うことだ。ボールを収めることも重要だが、そればかり追い求めるべきではない。今後も1トップでテストされる選手には大迫との比較論が起こるだろうが、ゴール前へ果敢に飛び込むことや裏への意識を持ち続けることも重要だ。今回の代表2連戦はどこか湿っぽい内容となったが、ゴール前に飛び込む迫力が欠けていたことも原因の1つだろう。

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