ハリル就任で急浮上 ナントがリーグ・アン屈指の“戦う集団”に

10月よりナントを率いているハリルホジッチ監督 photo/Getty Images

一時は2部降格圏に沈んでいたが......

今季のリーグ・アン第8節消化時点で1勝3分け4敗の19位と、大不振に喘いでいたナント。10月2日に元日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチ氏を新指揮官に据えると、その後の全公式戦9試合で5勝2分け2敗と復調。リーグ戦では12位まで浮上した。

かつて選手として在籍したナントを2部降格の危機から救うべく、ハリルホジッチ監督が選手たちに植えつけたのは、徹底したハイプレスと球際での強烈な守備だ。3-2で勝利した5日のリーグ・アン第16節でも、強豪マルセイユを相手に[4-1-4-1]の4バックを高く設定。ワントップのエミリアーノ・サラ、及びセントラルMFのアブドゥライェ・トゥレとヴァランタン・ロニエを起点にプレッシングを敢行した。この3人が中央のパスコースを塞いで相手のパスをサイドへ誘導すると、再三にわたりサイドハーフとサイドバックがボールホルダーを挟み込み、激しいボディコンタクトでボールを奪取。マルセイユ戦では2失点こそ喫したものの、前線からの連動したプレスで相手を慌てさせ、拮抗した試合展開に持ち込んだ。

ハリルホジッチ監督の指導によりナントが“戦う集団”へと変貌を遂げた様子は、データにも表れている。英『whoscored.com』の統計によると、同クラブは今季のリーグ・アンで1試合あたり20.4回のタックル成功数を記録。これは今季同リーグに属している全20クラブ中、3番目に多い数値だ。
また、同監督のもとでリーグ戦8試合を戦ったナントだが、同サイトのマッチデータによると、タックル成功数で相手クラブを下回ったのは第9節ボルドー戦のみ。ミゲル・カルドソ前監督が指揮したリーグ戦8試合のうち(第1節~8節)、4試合で相手よりもタックル成功数が少なかった事実を踏まえても、ハリルホジッチ監督が激しいボディコンタクトを主体とした守備をナントに植えつけ、これが奏功していると結論づけることができるだろう。欧州屈指の攻撃力を誇るパリ・サンジェルマンとの対戦を今月22日に控えているナントだが(第19節)、マルセイユ戦と同様にハイプレスで相手のビルドアップを空転させ、番狂わせを演じることができるだろうか。ハリルホジッチ監督の腕の見せどころと言えるだろう。




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