梅崎の失敗は想定内だった? 湘南・曺貴裁監督がPK戦の裏話を明かす

湘南で長期政権を築く曺貴裁監督。見事チームを決勝へ導いた photo/Getty Images

死闘を制した湘南が初のルヴァン杯決勝進出

14日にYBCルヴァンカップの準決勝・第2戦が行われ、湘南ベルマーレが柏レイソルをホームへ迎え入れた。

第1戦を1-1のドローで終えていたこのカードだが、第2戦も両チームともに1歩も譲らない展開に。28分に湘南が石川俊輝のゴールで先制するも、70分に大谷秀和のゴールで柏が追いつき、1-1で後半終了ホイッスル。2戦合計スコアが2-2、アウェイゴール数でも並び、延長戦へ突入した。

延長戦に入ると、先手を奪ったのは再び湘南。開始早々の93分、変化を加えたセットプレイから坂圭祐が頭で合わせ、勝ち越しに成功した。決勝進出へ大きく前進したが、柏も反撃に出る。113分、途中出場の山崎亮平が右クロスを合わせ、土壇場でスコアをタイに戻した。120分でも決着がつかず、2チームの運命はPK戦に委ねられることに。両チームともに1回ずつ失敗し迎えた6人目、先行の湘南が成功したのに対し、柏は山崎が失敗。湘南が5-4で柏との死闘を制し、クラブ史上初の決勝進出を決めた。
試合後、インタビューに応じた湘南の曺貴裁監督は「ルヴァンカップそのものをテレビやスタジアムで見ることが多かった人生ですけど、選手の頑張りでファイナルに進出できることは本当に心の底からうれしいです」や「1万3000人を超えるサポーターの皆さんに後押ししてもらって、PKもそういう思いが詰まっていたと思います。感無量というか、本当に一つひとつステップを乗り越えていけばこういうこともあるのかと、かみ締めながらいる気持ちです」と喜びを語った。Jリーグの公式サイトが伝えている。

PK戦後、湘南で唯一失敗した梅崎司が勝利にホッとしたのか、涙を浮かめる場面が印象的だった。ただ、曺貴裁監督は梅崎の失敗も想定内だったようだ。「(PK戦の)順番は僕が決めました。(梅崎)司が外すとは思っていました(笑)。だから3番目にしたので、作戦勝ちだと思います」と裏話を明かした。

また「とかく『若い選手が』と言われますが、いま齊藤未月と石原広教が代表に行っているように、18歳、19歳はワールドスタンダードで言うと若くありません。彼らに経験のある選手と同じように勝負に対する責任を負わせてきたつもりですし、そういう選手が蹴ったボール、まだ見ぬ決勝に行きたい気持ちが強い選手、いろんなことを考えて迷う選手、そういうヤツに蹴らせました。彼らが外したらしょうがないと思っていました。司は計算内です。PKはそんなものです」と話している。湘南がこの勢いで、タイトルを獲得することができるのか。

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