[ロシアW杯#62]クロアチアの運動量が半端ない! ハードワークで勝ち取った初の決勝の舞台

幸先よく先制したのはイングランドだったが……

幸先よく先制したのはイングランドだったが……

開始早々5分、トリッピアーの直接FKがクロアチアゴールに突き刺さった photo/Getty Images

クロアチアにとって決して良い流れで試合は進んでいなかった。開始5分にモドリッチがデル・アリを倒してFKを与えてしまう。これをトリッピアーに決められ、いきなり1点を追いかける展開となった。

リードを奪ったイングランドは3バック+両ワイドの2名で最終ラインを形成し、その前方に中盤の3名がラインを作る[5-3-2]で守備の組織を作り上げており、前半のクロアチアは攻撃の活路を見出せず、チャンスらしいチャンスを作れなかった。逆に、カウンターになると飛び出してくるデル・アリ、リンガード、さらには前線のスターリングのスピードに手を焼き、劣勢を強いられていた。

しかし、「ハードワークするチームが勝ち残った。われわれには素晴らしい選手がいる。ここまで勝ち上がったのは決してサプライズではない」と語っていたのはクロアチアのダリッチ監督で、後半になると両サイドからどんどんクロスを入れるえげつない攻撃をみせた。効果的だったのが両ウイングのペリシッチ、レビッチの定期的なポジションチェンジで、ワイドに張っているタイプのペリシッチと中央へ入ってくるレビッチに対して、イングランドの守備陣が戸惑っていた。

68分、ラキティッチが左サイドから大きなサイドチェンジを行う。右サイドでボールを受けたヴルサリコが間髪を入れずゴール前にクロスを入れると、逆サイドにいたペリシッチがウォーカーの前に走り込み、左足で合わせてゴールネットを揺らした。イングランドの5バックはしっかりと揃っており、ペリシッチが入り込んだのはわずかな隙間だった。

同サイドのゴール裏はクロアチア・サポーターで埋めつくされており、ここから一気に盛り上がっていった。CKを得るとペリシッチが両手を振り上げて煽るなど、ピッチとスタンドが一体化していく。延長戦に入り、こちら側のサイドでクロアチアが決勝ゴールを奪ったのは、もはや必然だったのかもしれない。

マンジュキッチが勝負強さを発揮!

マンジュキッチが勝負強さを発揮!

値千金の逆転ゴールを決め、喜びを爆発させるマンジュキッチ photo/Getty Images

109分、チームとしてこの日何本目かわからないクロスをピバリッチが左サイドから入れる。一度はウォーカーに跳ね返されたが、ペリシッチがヘディングでふたたびゴール前へ送る。誰よりも早く反応したのがマンジュキッチで、最終ラインの裏に抜け出し、左足のシュートで決勝点となったゴールを奪った。

指揮官が語るとおり、クロアチアは各選手がハードワークできるチームだ。延長戦後半の終盤を迎えても前線、中盤の選手たちが足を動かし、イングランドに早い攻撃をさせなかった。ドリブルに対してはときに身体を当てて潰すなど、最後まで激しく戦った。

初の決勝進出が決まった瞬間、クロアチアの選手たちはベンチにいた控えも含めてゴール裏のサポーターのもとへ走った。決勝トーナメントに入り、PK戦、PK戦、延長戦を制しての勝ち上がりである。苦労したぶんだけ、間違いなく絆が強くなっている。このまま頂点を極めるのではないか──。歓喜するクロアチアから、そんな雰囲気が感じられた。

[スコア]
クロアチア 2–1(EX) イングランド

[得点者]
クロアチア:68分 ペリシッチ、109分 マンジュキッチ
イングランド:5分 トリッピアー

文/飯塚 健司

サッカー専門誌記者を経て、2000年に独立。日本代表を追い続け、W杯は98年より6大会連続取材中。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。サンケイスポーツで「飯塚健司の儲カルチョ」を連載中。美術検定3級。Twitterアカウント : scifo10

theWORLD221号 2018年7月12日配信の記事より転載
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