名将カペッロでさえ驚く「会長の迅速な行動」 ナポリ、監督交代の早期決断は“吉”か 

4月に監督業から引退することを発表したカペッロ氏 photo/Getty Images

リスク回避につながる可能性も

結果を残してきた指揮官の慰留に力を注ぐことは大事なことだ。ただ、時にはすっぱりと断ち切り、少しでも早く未来を見据えて新たな指揮官を招へいすることが、リスク回避につながることもある。

ナポリは今夏、去就に揺れているマウリツィオ・サッリ監督の来季続投を早い段階で諦め、経験豊富なカルロ・アンチェロッティ監督を新たに招へいした。サッリ監督が3年間かけて作り上げ、成果が出つつあったスタイルをここで失うのは痛い。しかし、指揮官の去就次第で移籍に踏み切る選手が少なくないと噂されるナポリだけに、監督交代による主力選手の急な連続放出を回避するためにも、この時期にすでに来季の指揮官を確定させるのは賢明な判断だと言えよう。新たな選手の獲得など、来季のチーム作りをする上でも早いことに越したことはないだろう。

そんなナポリについて、かつてACミランやレアル・マドリードなどを率いた名将ファビオ・カペッロ氏は、伊『sky』のインタビューで「デ・ラウレンティス(ナポリ会長)の迅速な行動には、本当に驚かされたよ。(続投が)疑わしいサッリの後任として、すぐにアンチェロッティを招へいした」と監督の交代劇に驚きをあらわにしたが、次のようにも述べている。
「彼とナポリはさらなる飛躍を遂げるだろう。ユヴェントスに近づくことができるんじゃないかな。チームに到着したとき、プレイスタイルという点で、何が長所で何が短所なのかを理解する必要がある。アンチェロッティはその経験がある。私もサッキやゼーマンから(チームを)を引き継いだことがあるが、勝利への鍵を見つけたよ。アンチェロッティは本当に素晴らしいプレイスタイルも持っているし、彼のチームは勝つんじゃないかな」

はたして、アンチェロッティ監督はサッリ・サッカーの長所をうまく引き継ぎ、来季こそナポリを悲願のスクデット獲得へ導くことができるのか。数々のタイトルを獲得してきた名将としての手腕が問われることとなるかもしれない。

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