手堅く勝つスタイルが崩壊
2011年からアトレティコ・マドリードを指揮するディエゴ・シメオネは、とにかくハードワークできるチームを作り上げた。決して派手なスタイルではないが、堅守を武器にリーガ・エスパニョーラではバルセロナとレアル・マドリード相手に互角に渡り合い、チャンピオンズリーグでも2度決勝に進出した。
しかし、今季は開幕から苦しい戦いが続いている。得点数も増えず、不用意な失点も目立つ。手堅く勝ち点3を獲得するスタイルが崩れ、リーグ戦でもチャンピオンズリーグでも思うような結果が出ていない。
英『sky SPORTS』はいくつか問題をピックアップしているが、データで見ても今季は攻守両面で昨季より悪い。リーグ戦での1試合平均のチャンスメイク数は昨季13.3回から11.4回に低下。さらに1試合平均の被枠内シュート数は3.1本から4本に増加している。
また今夏は補強禁止処分を受けていたこともあり、新戦力を加えられなかったことも大きい。チームにはフレッシュさがなくなり、あのハードワークを続けるだけのモチベーションを選手たちが保てているのか大きな疑問がある。
同メディアのアンケートでも半分を超える54%の人がシメオネの時代は終わりを迎えたと答えている。長期政権を築くのは難しく、選手たちのモチベーションにも変化があるのかもしれない。