VARとは異なるリクエスト型のFVS セリエCで始まった新たなシステム「今回のテストはFIFAにも見てもらっている非常に重要なもの」

VARは今後どう進化していくか photo/Getty Images

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チームから映像チェックを要請できる

今ではサッカー界で当たり前の存在となったVAR。しかしまだまだ新方式の実験は続いていて、今季イタリアのセリエCではVARとは少し異なるFVS(フットボール・ビデオ・サポート)なるシステムが運用を開始している。

これは野球などのリクエストと似た形式で、疑問に思うプレイがあった際にチーム側からVTRチェックを要請できるというものだ。

具体的には両チームに2枚ずつFVS要請カードが与えられ、疑問の判定があった際には第4審判にカードを提示することで主審に映像チェックを要請できる。チャレンジが成功した場合にはカードが戻ってくるが、失敗した場合はそのまま没収となる。
セリエCの開幕節となったリヴォルノVSテルナーナの一戦でさっそくFVSが要請されるシーンがあり、テルナーナのファビオ・リベラーニ監督が相手のヘスス・マウェテのプレイにレッドカードを求めるFVSチェックを要請した。映像判定の結果マウェテにはイエローカードの提示だけで終わったため、チャレンジは失敗に。

このゲームはFIFA審判委員会のピエルルイジ・コッリーナ氏が観戦に訪れていて、試合後にはイタリアプロサッカーリーグ会長のマッテオ・マラーニ氏が「セリエCでの実験は使命と言えるもので、今回のテストはFIFAにも見てもらっている非常に重要なものだ。我々のリーグとカテゴリーをFVSのテストに選んでくれたサッカー協会、コッリーナに感謝したい。また、この1カ月間我々と共に懸命に準備に動いてくれたオルサトら全ての審判にも感謝したい。これはサッカー界にとって歴史的な夜だ。これは他の何物でもなく、FVSと呼んでほしい」とコメントを残している(『Sky Sport』より)。

従来のVARとは異なり、チーム側からチャレンジできるシステムも面白い。これが各リーグへ広がっていく可能性もありそうで、セリエCではFVSが使用されるケースがまだまだ見られるかもしれない。

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