元イングランド代表FWで、プレミアリーグのボルトンやバーンリーなどで活躍したマーヴィン・ソーデル氏が、アフリカにF1を呼び戻すための大胆なプロジェクトを主導しているという。『The Times』が報じた。
2019年に現役引退後、ノンリーグのケタリング・タウンで短期復帰した経歴を持つソーデル氏は、現在「Opus Race Promotions」の共同CEO兼ディレクターを務めており、同社がナイジェリアにF1を招致する計画を推し進めているとされる。
すでにナイジェリア政府から「初期段階の支持」を得ており、開催候補地として名前が挙がっているのは首都アブジャ。だが計画は単なるグランプリ開催にとどまらず、カート場、テクノロジーハブ、ホテル、モータースポーツ博物館など複合的なインフラ整備を含む壮大な内容となっている。
ナイジェリア国家スポーツ委員会のシェフ・ディッコ委員長は、今年4月にプロモーターを国内に招き構想を聴取。1か月後には、Opus社が正式にF1およびFIAとの交渉権限を委任されたという。
また、F1のステファノ・ドメニカリCEOもアブジャ訪問の招待を受けたとされ、現在は非常に初期の段階ながらも本格的な協議が始まりつつある。なお、他のアフリカ諸国も強い関心を示している模様で、競争は熾烈となりそうだ。
F1は現在、アフリカ大陸にレースを持たない状態が続いている。最後に開催されたのは1993年、南アフリカのカラミ・サーキットであり、それ以前には1958年にモロッコで一度のみ行われている。7度の世界王者ルイス・ハミルトンも以前からアフリカ開催を強く支持しており、南アフリカやルワンダも候補として報じられていた。
ただし、ドメニカリCEOは2025年や2026年内での新規開催については「現実的にはすぐに実現するとは思えない」と語っており、道のりは険しい。
来年には新たにスペイン・マドリードが欧州の開催地として加わる予定であり、代わりにイモラが脱落。さらにタイも約8億9000万ポンドを投じて2028年のバンコク市街地レース実現に動いている。
F1は今週末、2週間の休止を経てベルギーGPで2025年シーズンを再開する予定だ。