佐野海舟のスタメン起用に賛否 森保監督の「ミス」発言がさらなる波紋を呼ぶ

スタメン起用された佐野 Photo/Getty Images

続きを見る

倫理観が問われる判断

佐野海舟の日本代表復帰が、大きな波紋を呼んでいる。日本サッカー協会はW杯アジア最終予選・オーストラリア戦において、佐野をスターティングメンバーに起用。この決定は、ファンや一部選手から強い反発を招いており、スポーツ界における倫理と再チャレンジの是非を巡る議論が巻き起こっている。

特に問題視されたのは、森保一監督の発言である。記者会見の中で、森保は「個人的にはミスを犯したと言えるかもしれないですが、チームの一員を家族と考えた時に、指導者としてミスを犯した選手をそのまま社会から葬り去るのか、サッカー界から葬り去るのかということに関しては再チャレンジする道を、家族としても与えることの方が良いのではないのかと判断した」と語った。

しかし、この「ミス」という表現がSNS上で激しい批判の的となった。「性暴力を『ミス』と表現することへの違和感」「性犯罪は過ちではなく重大な加害行為」「女性に対する無意識の偏見が表れている」といった意見が噴出し、JFAの判断そのものに対しても疑問が投げかけられている。
佐野は2024-25シーズンのブンデスリーガで最長の走行距離を記録するなど、パフォーマンス面では一定の評価を受けている。しかし、倫理的な問題と実績は切り離して論じるべきという声も根強く、「社会的メッセージとしてこの起用は適切だったのか」という根本的な問いが突きつけられている。

JFAは今後、選手起用におけるガイドラインや説明責任を再検討せざるを得ない状況にある。今回の一件は、サッカー界に限らず、日本社会全体における性暴力と向き合う姿勢を問う事例となった。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.305 欧州クライマックス

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:各国代表

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ