アルテタの新戦術は機能しているか 指揮官は昨季の「10倍良い」と主張も……

ジンチェンコが入り、見違えるようにスムーズになったのは確かだ photo/Getty Images

戦術的オプションの構築中か

プレミアリーグ第3節、アーセナルはホームでフラムと対戦。フラムのカルヴァン・バッシーの退場により数的優位でゲームを進め、さらに2-1とリードしていたものの、終盤にコーナーキックからの同点ゴールを被弾。ホームで勝点2がすり抜けていった。

開幕からの3試合で、ミケル・アルテタ監督は昨季と違う形を試している。右サイドバックにトーマス・パルティを置き、攻撃時にトーマスがアンカーに変化。前線では左右に2つのトライアングルを作るような形で、前線の選手がペナルティエリアを包囲する[3-1-6]のような攻撃的なシフトだ。しかし、今のところスムーズに攻撃できているようには見えない。

英『Daily Mail』のコラムでもこの件に触れている。アルテタは今季のこの形を「昨季の10倍良い」と発言しているが、それは彼の戦術的な微調整がかえってスムーズさを抑圧しているという主張への反論にすぎないと綴られている。
フラム戦で象徴的だったのは後半、オレクサンドル・ジンチェンコを投入し昨季と同じ形に戻したことだ。先制弾を浴びていたため攻撃に出る必要があり、やり慣れた形に戻したのだが、チームの攻撃は見違えるようにスムーズになった。

ただ、昨季は同じ形でやり続けた結果、終盤にやや失速した。選手の負傷が重なったこともあるが、対戦するチームに分析されていたのも確かで、特に4月に入ってからは3連続ドローとマンチェスター・シティ戦の敗戦が続いてしまっていた。おそらくアルテタは昨季の形であればよりスムーズにチームが動くことを認識したうえで、新戦力を組み込んだ新たな形を模索しているのだろう。1つの戦い方ではプレミアリーグ制覇には届かないと考えているのかもしれない。

ガブリエウ・マルティネッリも「慣れるために時間が必要だ」と発言している。現状はいまひとつ機能していないように見えるが、スケジュールが進むにつれて洗練されてくるのだろうか。それとも、単なるアルテタの失敗なのだろうか。答えが出るにはもう少し時間がかかるだろう。

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