超マネーパワーのサウジアラビアは中国の失敗から学べるか 今も“FIFAランク79位”と強化には繋がらず

スーパーリーグの盛り上がりから中国代表強化へ繋げる狙いもあったが…… photo/Getty Images

サウジアラビアに第2、第3のプランはあるか

今夏の移籍市場を大いに賑わせているのが、サウジアラビアの勢力だ。

アル・アハリはGKエドゥアール・メンディ、FWロベルト・フィルミーノ、アル・イテハドはMFエンゴロ・カンテ、FWカリム・ベンゼマ、アル・ナスルはMFマルセロ・ブロゾビッチを獲得するなど、そのマネーパワーは凄まじい。

サウジアラビアはサッカー界を変えるかもしれないなんて雰囲気も漂っているが、大事なのは今後の計画性だ。
英『GIVE ME SPORT』が重ねるのは、中国スーパーリーグだ。中国スーパーリーグも最盛期は怒涛の札束攻勢でスター選手を引き抜いており、同メディアは2016年から2017年にかけて3億ポンド以上を費やしたと紹介している。

中国サッカー界の狙いとしては、国内リーグを強化すると同時に中国代表チームの強化に繋げる狙いがあった。しかし、その意図は失敗に終わった。アジアチャンピオンズリーグでの躍進など強力助っ人の力でアジアをリードした時期はあったが、代表チームの強化には繋がっていない。今もFIFAランクは79位と低いままだ。

代理人を務めるチャールズ・カルドーソ氏は中国スーパーリーグの強化策について「次にサッカー界で素晴らしいものを見せるのは中国だと誰もが信じていた。だが、緻密な計画が欠けていたんだ」と振り返っており、今では財政破綻するクラブが続出するなど競争力を失っている。

果たしてサウジアラビアは成功を収められるのか。同メディアは「中国のケースは富が成功を保障するものではないことを示すものだが、正しく資金を使えば重要なツールになるのは確かだ」と伝えており、サウジアラビアサッカー界の第2、第3のプランに注目している。それが無ければ、一過性のブームに終わってしまうことだろう。

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