4バックと3バックの使い分け、大胆なローテーション 57歳で初タイトル獲ったピオリも名将なのか

ミランを指揮するピオリ photo/Getty Images

CLではナポリを封じ込める見事な戦いを披露

1999年にボローニャのプリマヴェーラから指導者キャリアを初めて約23年。現在ミランを指揮するステファノ・ピオリはタイトルに恵まれない時間を長く過ごしてきた。

それが終わったのは昨季のことだ。ピオリはミランをスクデットへ導き、評価を一気に上げた。今季はナポリに首位を譲っているが、チャンピオンズリーグではベスト8まで駒を進めている。57歳にしてピオリは指揮官としてブレイクを果たしているのだ。その手腕を伊『Gazzetta dello Sport』も改めて評価している。

目を引くのは『修正力』だ。昨季王者として今季のリーグ戦に臨んだミランだったが、年明けに調子を崩してしまった。ここで一気に勝ち点を取りこぼすことになったのだが、ピオリは守備を立て直すべく布陣を3バックへと変更。これで年明けから続いていた混乱を収めようとしたのだ。
だが、4バックの選択肢も捨てていない。4月2日のナポリ戦では4バックをチョイスし、4-0と相手を圧倒。ピオリはシステムを固定しているわけではなく、柔軟に3バックと4バックを使い分けている。指揮官として戦い方の幅が広いのは心強い。

ナポリ戦ではパスワークを潰すべく、MFスタニスラフ・ロボツカにMFイスマエル・ベナセルをマンマーク気味にぶつけるなど、事前準備も抜かりなかった。その後行われたチャンピオンズリーグ準々決勝1stレグでもナポリを1-0のスコアで撃破しており、年明けの不調からここまで状態を戻してきたピオリの手腕はもっと高く評価されるべきなのだろう。

15日に行われたボローニャ戦では、翌週のナポリ戦2ndレグを優先して大幅なローテーションを敢行。国内リーグではナポリが独走状態となっているため、CLに照準を絞るのも悪い手ではない。思い切ったシステム変更やローテーションなどピオリの選択はミランに成功をもたらしてきたが、それがCLにどう影響してくるのか。ピオリもまたイタリアを代表する優秀な指揮官であり、今のミランはなかなか厄介なチームに仕上がっている。

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