マンチェスター・ユナイテッドではアレックス・ファーガソン氏が、アーセナルではアーセン・ヴェンゲル氏が長期政権を築いた。最近ではジョゼップ・グアルディオラ監督がマンチェスター・シティで、ユルゲン・クロップ監督がリヴァプールで長らく指揮官を務めている。トッテナムでもハリー・レドナップ氏やマウリシオ・ポチェッティーノ氏が3シーズン以上はチームを率いた。
それに比べ、最も監督の移り変わりが激しいのがチェルシーだ。3シーズン監督が変わらなかったのは、ジョゼ・モウリーニョ監督第一次政権時の2004年夏から2007年夏までが最後。今季もトーマス・トゥヘル監督からグレアム・ポッター監督へと指揮官が交代している。
しかし、短期政権を繰り返すことが一概に悪いというわけでもない。選手からすれば、さまざまなタイプの監督から指導を受けることができるという利点もある。2020年9月にバイエル・レヴァークーゼンからチェルシーへと移籍してきたFWカイ・ハフェルツは、英『The Guardian』のインタビューに応じる中で、2021年1月までチームを率いたフランク・ランパード氏、前指揮官のトゥヘル監督、現指揮官のポッター監督、それぞれの良さについてこのように述べている。
「フランク・ランパードは僕と契約してくれた人だし、いろいろと話すことができた。僕は彼のために良い結果を出すことができなかったけど、彼は僕を助けてくれた。 とても感謝しているよ」
「それから(トーマス・)トゥヘルは、僕に異なるサッカー観を与えてくれた。ボールタッチの仕方、コントロールの仕方、どこにパスを出のか、どちらの足を使うのか、動き出し、スペースの作り方など、細部に至るまで1センチ単位で重要視している。彼はまさにトップレベルだよ。ここに来て半年でチャンピオンズリーグを制覇したことが、その全てを物語っている」
「彼(ポッター監督)は多くの批判を受けているけど、チェルシーにとって非常に重要な存在であり、ドレッシングルームでは誰もが彼の才能を理解しているよ」
ポッター監督率いるチェルシーは現在プレミアリーグ10位と苦戦しており、一時は解任も囁かれていた。選手からはある程度の信頼を得ているようだが、彼のチェルシーでのキャリアは長いものになるのか、短いものになるのか。新オーナーの解任基準が気になるところだ。