高額移籍金はデメリットが多すぎる? 選手&監督へのプレッシャー、ベンチへ下げづらい要素も

ムドリクもチェルシーで重圧を感じるだろう photo/Getty Images

起用法が限定されるなど問題点も

今冬にはチェルシーがシャフタール・ドネツクから8900万ポンドでFWミハイロ・ムドリクを獲得するなど、近年は移籍市場で高額な移籍金が動き続けている。

こうした派手な動きは話題性も抜群だが、米『ESPN』はリスクの大きい動きだと釘を刺す。

今回のムドリクもそうだが、サッカーファンからは『移籍金額が高い選手は優れた選手』と思われやすい。必然的に選手への期待値が異常なほど高くなり、それは選手へのプレッシャーになる。ムドリクも8900万ポンドに見合うパフォーマンスが求められるはずで、余計な雑音が聞こえてくるケースも増えるだろう。
次なるデメリットは、指揮官に対するものだ。指揮官が望んだ選手ならば構わないが、クラブの方針で高額選手を獲得した場合は起用法が難しい。クラブからすれば、高額移籍金で獲得した選手をベンチに置くなどあり得ないと考えるだろう。指揮官はその選手を外しづらくなり、調子が上がらなくても起用し続ける状態となりかねない。

また、同メディアは経験の浅い指揮官にとってはマイナス評価になり得るとも警告する。高額な移籍金で獲得した選手を活かせなかった場合、監督としての実力不足と捉えられる可能性が高くなるのだ。

今回ならば、チェルシーを指揮するグレアム・ポッターはビッグクラブでの指揮経験が浅い。ムドリク、FWノニ・マドゥエケ、DFブノワ・バディアシルなどクラブが次々と新戦力を獲得してくるため、ポッターも起用法には頭を悩ませていることだろう。彼らを使いこなせなければ『実力不足』と評価されかねない。

こうして見るとメリットが少ないようにも感じてしまうが、今後もこの傾向は続いていくだろう。1億ユーロ超えの移籍金を支払ってもチームにフィットしないケースも珍しくなく、金額に見合う活躍を見せるのは至難の業と言える。

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