[西岡明彦]W杯で注目のストライカーはユナイテッド上層部のお気に入り!?

プレミア最強ガイド #97

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アメリカ戦などで3得点。自身の価値を知らしめたガクポ photo/Getty Images

 4年に1度の祭典、ワールドカップの舞台は、ステップアップを目論む選手たちにとって格好の品評会です。そんなカタールの地で、プレミアリーグからも注目を集めたストライカーがいます。

 オランダ代表F Wのコーディ・ガクポ。P S Vで活躍する彼の動向は今夏から移籍市場を賑わせていました。8月、リーズとサウサンプトンの2クラブが違約金2 6 0 0万ポンドと活躍次第で支給する1 1 0 0万ポンドのインセンティブを合わせたオファーを提示しました。その商談は契約合意には至りませんでしたが、破談した要因はガクポが欧州チャンピオンズリーグに出場しているクラブへの移籍を望んでいるからと報じられていました。

 今冬、W杯でベスト8まで進出したオランダ。2 3歳の背番号8は全5試合に先発、グループステージ3試合すべてでゴールを挙げるなど大きなインパクトを残しました。すぐにP S Vはクラブ記録となる4 0 0 0万ポンド以上の違約金収入が見込めると準備を開始しましたが、既に水面下での交渉が行われていると報じられています。新たなストライカー獲得を模索しているレアル・マドリードは違約金5 0 0 0万ポンドを用意しているとのこと。また、ニューカッスルやマンチェスター・ユナイテッドも1月補強の最有力候補として名乗りを上げました。
 エリック・テン・ハーグ監督のチームは8月にもガクポをリストアップしていましたが、当時はアヤックスのブラジル代表であるアントニー獲得を優先したことで、ユナイテッド行きは実現しませんでした。その後、1 3得点1 7アシストとクラブで目覚ましい活躍を見せたこと、代表で5試合3得点と結果を残したことによって、レッド・デビルズ上層部の評価が固まりました。さらにクラブに対する批判的な発言をしたクリスティアーノ・ロナウドが退団したことで、ポジションと資金に余裕が生まれたことも新戦力獲得に向けた動きに拍車を掛けることになりました。

 P S Vでフットボール・ダイレクターを務めるマルセル・ブランズは、先週サポーターズクラブのトークショーに出演。「皆さんは欧州内1 0から1 2ほどのクラブへの移籍を話題にしているようだね。まだ金銭面を含めた条件交渉までは至っていないが、クラブの記録を塗り替える交渉になるのは間違いないだろう」と、1月の移籍を容認する発言をしました。

 P S Vでは左ウィンガーとして、オランダ代表ではストライカーとしてプレイするなど、柔軟なプレイスタイルが特長のガクポ、カタールの地で異彩を放ったストライカーのステップアップに期待したいものです。

文/西岡 明彦

電子マガジンtheWORLD(ザ・ワールド)276号、12月20日配信の記事より転載

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