[W杯マッチ13]際立ったのはスイスの試合巧者ぶり 決して焦らぬゲーム運びで決勝Tへ大きく前進

チュポ・モティンクのシュートを左手でストップ。スイスの絶対的守護神ゾマーのセーブはこの試合でも光った photo/Getty Images

前半はにらみ合いに終始

MATCH 13 グループG 第1節 
2022年11月24日 13:00キックオフ(会場:アル・ジャヌーブ・スタジアム)
スイス 1-0 カメルーン

優勝候補筆頭と目されるブラジルが振り分けられたグループG。当然、2位でグループステージを抜けるのはどのチームか、という点に注目が集まる。2位争いの熾烈さは全グループ中屈指と思われ、初戦のスイス×カメルーンはグループの行方を占ううえで重要な一戦となる。

まずボールを握ったのはスイス。シャキリやジャカだけでなく、やや下がり目の位置でボールを受けようとするエンボロらが様子見といった感じでボールを回す。カメルーンはハイプレスをかけることなく引いて構え、攻めるスイスと受けるカメルーンという構図が出来上がった。
カメルーンは時おり長いパスに前線の選手が走り込み、スピードを生かしてチャンスを作ろうとする。14分には高い位置でチュポ・モティンクがボールを奪い、単独ドリブルからシュートに持ち込むが、ここはスイス守護神ゾマーが落ち着いたセーブを見せる。

どちらのチームも攻撃よりも組織的な守備が際立った印象で、W杯のGS初戦らしい慎重な展開となった。どちらかといえば、チャンスを作っているのはカメルーン。35分には右サイドのファイから中央で待っていたトコ・エカンビへクロスがつながりかけるが、スイスも最後に体を張り良い形でのシュートを許さない。スイスは前半ATにはコーナーキックからアカンジが頭で合わせるが、これも枠を外れ、膠着した状況を両者ともに打開できないままハーフタイムを迎える。

エンボロが挙げた唯一のゴールが、試合の流れを大きくスイスに引き寄せた photo/Getty Images

1点を奪ったあとは、完全なスイスペースに

だが後半早々にゲームは動いた。48分、スイスはジャカが下がり目の位置から中央のフロイラーに入れると、フロイラーは右サイドへ展開。シャキリからのクロスをエンボロが落ち着いて流し込み、スイスが先制に成功した。

追う展開になったカメルーン。57分にチュポ・モティンクがPAの深いところへドリブルで侵入するも、これもゾマーに阻まれる。やや前掛かりで攻撃に人数をかけ始めたカメルーンだったが、これがスイスにスペースを与えることになり、次第に試合はスイスがペースを握り始めた。

66分にはヴィドマーのマイナスのクロスをバルガスがゴール正面で叩くが、ここはオナナがファインセーブ。72分にはヤキン監督は3枚代えを敢行し、前線のラインナップをごっそりと入れ替える。

カメルーンもチュポ・モティンクに代えてアブバカルを投入するなど打開策を探るが、堅守から巧みにスペースを突いていく試合運びはスイスお得意のパターン。初キャップとなった20歳の次世代スター、リーダーも登場し、ゲームを締めにかかっていく。カメルーンは時間が進むにつれて選手の連動性が乏しくなってしまい、スイスに落ち着いてボールを回されている間に時計は進んでいった。

ATにはスイスに大チャンス。セフェロビッチのシュートは必死のブロックに遭うも、試合はそのままタイムアップ。試合巧者ぶりを見せたスイスが初戦で勝点3を獲得し、決勝トーナメント進出へ大きく前進した。
[スコア]
スイス 1-0 カメルーン

[得点者]
スイス
48分 ブレール・エンボロ

[ポゼッション]
スイス 42% カメルーン 44% 中立14%

[シュート数]
スイス 8 カメルーン 7

[枠内シュート]
スイス 3 カメルーン 4

[イエローカード]
スイス 2枚
ニコ・エルヴェディ
マヌエル・アカンジ

カメルーン 1枚
コリンズ・ファイ

[レッドカード]
なし


[ラインナップ]
スイス
フォーメーション:[4–3-3]

監督:ムラト・ヤキン

GK
ヤン・ゾマー(ボルシアMG/ドイツ)

DF
リカルド・ロドリゲス(トリノ/イタリア)
ニコ・エルヴェディ(ボルシアMG/ドイツ)
マヌエル・アカンジ(マンチェスター・シティ/イングランド)
シルヴァン・ヴィドマー(マインツ/ドイツ)

MF
レモ・フロイラー(ノッティンガム・フォレスト/イングランド)
グラニト・ジャカ(アーセナル/イングランド)
ジブリル・ソウ(フランクフルト/ドイツ)

FW
ルベン・バルガス(アウクスブルク/ドイツ)
ジェルダン・シャキリ(シカゴ・ファイアー/アメリカ)
ブレール・エンボロ(モナコ/フランス)

交代出場
72分 ジブリル・ソウ→ファビアン・フライ(バーゼル)
72分 ジェルダン・シャキリ→ノア・オカフォー(ザルツブルク/オーストリア)
72分 ブレール・エンボロ→ハリス・セフェロビッチ(ガラタサライ/トルコ)
81分 ルベン・バルガス→ファビアン・リーダー(ヤングボーイズ)
89分 リカルド・ロドリゲス→エライ・キュマルト(バレンシア/スペイン)

カメルーン
フォーメーション:[4–3-3]

監督:リゴベル・ソング

GK
アンドレ・オナナ(インテル/イタリア)

DF
トロ・ヌフ(シアトル・サウンダーズ/アメリカ)
ニコラ・クヌル(アリス・テッサロニキ/ギリシャ)
ジャン・シャルル・カステレット(ナント/フランス)
コリンズ・ファイ(アル・タエー/サウジアラビア)


MF
アンドレ・フランク・ザンボ・アンギサ(ナポリ/イタリア)
サミュエル・ウム・グエ(メヘレン/ベルギー)
マルタン・オングラ(ヴェローナ/イタリア)

FW
カルル・トコ・エカンビ(リヨン/フランス)
ブライアン・ムベウモ(ブレントフォード/イングランド)
エリック・マキシム・チュポ・モティンク(バイエルン/ドイツ)

交代出場
68分 マルタン・オングラ→ガエル・オンドゥラ(ハノーファー/ドイツ)
74分 エリック・マキシム・チュポ・モティンク→バンサン・アブバカル(アル・ナスル/サウジアラビア)
74分 カルル・トコ・エカンビ→ジョルジュ・ケビン・エヌクドゥ(ベシクタシュ/トルコ)
81分 ブライアン・ムベウモ→ニコラス・ムミ・ヌガマル(ディナモ・モスクワ/ロシア)

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