サイドバックを本職とする選手は、現在アーセナルでベン・ホワイトと冨安健洋がサイドバックとして高い評価を得ている現状をどう捉えているだろうか。
今季まだ1試合も出番を得ていないのは、右サイドバックを本職とするセドリック・ソアレスだ。サウサンプトン時代を合わせプレミアリーグで156試合こなしてきた経験豊富なサイドバックだが、今のアーセナルはホワイトと冨安の参加によってサイドバック大激戦時代に突入している。
昨季までホワイトはセンターバックだったが、アーセナルには今夏ウィリアム・サリバが合流。これによりホワイトを右サイドバックへ押し出す格好となり、右ではホワイトと冨安がソアレスより優先されている。
左ではキーラン・ティアニー、新戦力のオレクサンドル・ジンチェンコ、そして左にまで冨安のプレイエリアは広がってきた。ソアレスも左を担当できる選手ではあるが、ティアニー、冨安、ジンチェンコがいることを考えれば実質4番手か。
英『Football London』は指揮官ミケル・アルテタがヨーロッパリーグも活かしながらローテーション策で全選手をハッピーな状態にしようと心がけていると伝えているが、サイドバックは候補者が多すぎてソアレスまで出番が回ってこない。
現状についてソアレスは「もちろん今季まだプレイしていないことに失望している。アーセナルに加入して以降、チャンスをもらったときは常にピッチでポジティブな答えを出してきたと信じている。今は毎日ハードワークするだけだよ」とコメントしている。
ホワイトと冨安はセンターバックを本職としてきた選手ではあるが、サイドバックとしてもパフォーマンスレベルが高い。特に守備面の安定が大きく、1対1や空中戦対応ではホワイトと冨安が上をいく。
サイドバックを本職とする選手にとっては複雑かもしれないが、今後こうした大型サイドバックの起用が世界的なトレンドになっていく可能性もある。ジンチェンコのように繋ぎの面で貢献するか、マンチェスター・シティのジョアン・カンセロのように圧倒的な攻撃力を見せるか、何か強烈な強みがなければ生き残っていくのは難しいだろう。
今のところホワイトと冨安のサイドバック起用は当たっており、重要なゲームでは2人が優先的に起用されていくことだろう。