日本に0-3で敗れて一度は終わった旅 ケイロス緊急登板の“黄金世代イラン”は不気味だ

4年前のロシア大会・モロッコ戦に勝利して胴上げされるケイロス photo/Getty Images

アジアカップでは日本と激闘も

ワールドカップまで残り2カ月余りといったタイミングだが、イラン代表が監督交代へ動いた。

ドラガン・スコチッチに代わってイランの指揮官に就任したのは、2019年までイラン代表を指揮していたカルロス・ケイロスだ。ワールドカップまで準備期間が少ない中、イランが選んだケイロス再登板は上手くいくだろうか。

米『ESPN』は、この判断を悪くないものと取り上げている。ケイロスは2011年から8年にわたってイラン代表を指揮し、2014年と2018年のワールドカップ出場へ導いてきた。4年前のロシア大会を知るFWサルダル・アズムンやメフディ・タレミ、アリレザ・ジャハンバクシュ、GKアリレザ・ベイランバンドといった選手たちは今が全盛期に近い中堅世代に入っており、ケイロスは彼らの特長をよく理解している。
イラン代表でのキャリアを振り返ると、ケイロスが退任を決めたのは2019年1月に行われたアジアカップでベスト4敗退に終わったからだ。そしてこの時準決勝で対戦したのが日本代表だった。

当時アジア最強国の1つとして日本もイランのことをかなり警戒していたが、日本は大迫勇也の2ゴールと原口元気のゴールで3-0と快勝。南野拓実がドリブルを仕掛けた際に倒れ、イランの選手たちが足を止めた一瞬の隙を突いて立ち上がった南野が大迫にクロスを上げたシーンを覚えている人も多いだろう。スコア以上に難しいゲームを日本は制することになり、ケイロスは敗戦の責任を背負って退任した。ちょうどあのゲームがイラン代表での100試合目だ。

アジアカップでは優勝を狙っていたのだろうが、それでもケイロスの戦績そのものは決して悪くない。イランでは100試合指揮して60勝27分13敗。勝率は60%となっており、イランがカタール大会を前に再度アプローチしたのは正しいか。

イランはカタール大会でイングランド、アメリカ、ウェールズと同じグループBに入っており、初戦の相手はイングランドだ。かなり難しい戦いとなるだろうが、同メディアはロシア大会で見せたようにイランが粘り強く守備を固めてくると予想している。4年前を知る選手たちはケイロスのスタイルを理解しているはずで、イングランドも手を焼くかもしれない。

アズムンら黄金世代をどう活かしてくるのか。ケイロス体制3度目のワールドカップが楽しみだ。

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