マンチェスター・シティはコミュニティシールドでリヴァプールと対戦した。
結果は1-3と今季初の公式戦は黒星に終わっている。新加入フリアン・アルバレスのゴールで1-1と追いついたまでは良かったが、そこから失点を喫してしまった。
この試合に限ったことではないが、左サイドバックで起用されるジョアン・カンセロの守備がやはり気になる。
攻撃面でSBとは思えない貢献を見せてくれる選手であり、カンセロと同等の働きをするSBは世界を見渡しても少ない。しかし守備面、とくにポジショニングでは弱みとなっている場合が多く、リヴァプール戦では対峙するモハメド・サラーの脅威になることはできなかった。そもそもエジプト代表FW相手に脅威になれるSBがどれだけいるかという話ではあるが、獲得が噂されていたマルク・ククレジャは脅威になる可能性があるSBだ。
英『The Athletic』ではシティが今季カンセロとカイル・ウォーカーの2人だけの本職SBでシーズンに臨むのはリスクが大きいと指摘している。どちらも怪我が少ない選手ではあるが、11月にはワールドカップ・カタール大会が控えており、コンディションを崩さない保証はない。
シティの指揮官であるジョゼップ・グアルディオラは新たな左SBの獲得について質問された際、「可能であれば(獲得したい)、そうでない場合でもそこで(左SB)プレイできる選手はいる。ジョアン、ジョシュ(ウィルソン・エスブランド)、ネイサンがそこでプレイできる」とコメントしている。
ペップとしても新たな左SBを獲得したいようだが、ククレジャとの交渉は難航している。ブライトンはククレジャを5000万ポンド以上と評価しており、シティが提示した4000万ポンドとは1000万ポンドの差がある。移籍市場に精通しているファブリシオ・ロマーノ氏によると、シティのトップターゲットはククレジャであり、他の左SBとは交渉すらしていないようだ。しかしシティが提示した4000万ポンドのオファーは拒否されており、この交渉を合意に至るにはブライトンが評価額を変更するか、シティが5000万ポンドを払うかのどちらかだが、現実的な未来ではない。
英『The Athletic』ではククレジャの強みを守備での強度としている。昨季はリヤド・マフレズをも封じたマンマークのディフェンスと最終ラインでのポジショニングを評価しており、シティが新たな左SBに求めている能力が守備だということが分かる。
同紙ではボルシア・ドルトムントのラファエル・ゲレイロが次のターゲットになり得る選手だと主張している。過去にシティが興味を持っていた選手だが、ククレジャのように守備を強みとしておらず、カンセロの二の舞になる可能性は高いため現実的ではないか。
ククレジャを求めていることからもシティは新たなSBに守備強度を求めている。そのため代案として挙がっているボルナ・ソサやアレハンドロ・グリマルドは候補ではない可能性が高い。その他のSBは報じられておらず、ククレジャ獲得に進展がない限り、今夏でのSB補強はないかもしれない。