突然の覚醒でクラブ最多《397戦148ゴール》 0トップで化けたFWはナポリの伝説になった

ナポリでゴールを量産したメルテンス photo/Getty Images

インシーニェ、ハムシクをも超える数字

まさに突然化けたという印象だろうか。ナポリで歴代最多得点記録を保持しているのは、今夏に退団が決まったベルギー代表FWドリース・メルテンス(35)だ。

2013年からナポリでプレイしてきたメルテンスは、通算397試合で148のゴールを記録。そのうちセリエAでは113ゴール、UEFA主催大会では28のゴールを決めているのだが、このどちらもナポリの選手としては歴代最多である。

メルテンスに次いで多いのは434試合で122ゴールを決めたFWロレンツォ・インシーニェ、3位は520試合で121ゴールを決めたMFマレク・ハムシク、そして4位に259試合で115ゴールを決めた故ディエゴ・マラドーナ氏だ。
とはいえ、加入当初のメルテンスはそこまでゴールを量産する選手ではなかった。2014-15シーズンはリーグ戦6ゴール、2015-16シーズンも5ゴールに終わっており、得点王争いでも蚊帳の外だったアタッカーだ。

それが2016-17シーズンに突然覚醒する。指揮官マウリツィオ・サッリとの出会いも大きかっただろう。このシーズンも左のウイングでプレイすることが多かった前半戦はそこまで数字が伸びなかったが、最前線に固定された後半戦から大爆発。最終的には28ゴールまで数字を伸ばし、シーズン全体では34ゴールとキャリアハイを記録した。

そこから二桁得点常連者となり、2017-18シーズンにリーグ戦18ゴール、2018-19シーズンには16ゴールと活躍。純粋なセンターフォワードというより、自由にポジションを動かしながらインシーニェやホセ・カジェホンらと連携しながらチャンスを作っていったゼロトップの印象が強い。

昨季も11ゴールは奪っており、一度磨き上げられた得点力は最後まで大きくは落ちなかった。インシーニェより40試合ほど少ない出場試合数で148のゴールを奪ったのは見事で、メルテンスは数字が示す通りナポリのレジェンドとしてクラブを去る。

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