市場価値は2500万ユーロから“350万ユーロ”へ…… 2022年に見たい中島翔哉の完全復活

ポルティモネンセでフル稼働した中島 photo/Getty Images

森保ジャパンを大いに盛り上げてくれた和製ファンタジスタ

今年のワールドカップ・カタール大会本番で森保ジャパンの10番は誰の手に渡るだろうか。

発足当初に日本を大いに盛り上げてくれたのは、中島翔哉だった。日本人離れした独特なアイディアと、高度なテクニックを駆使したドリブルは森保ジャパンで最も目立つ武器だったと言っていい。中島がボールを持つたびにワクワクした人も多いだろう。

風向きが変わったのは、2019年の冬にポルティモネンセからカタールのアル・ドゥハイルに移籍したあたりか。その後移籍したポルトガルの名門FCポルトでもスムーズにフィットせず、クラブの方で少し苦しい時間が続いてしまった。
そして今季からは、ポルトからのレンタルでポルティモネンセに復帰。リーグ戦22試合に出場した結果は1ゴール3アシストとやや寂しいものではあったが、プレイタイムは十分に確保できた。2列目を中心に中島らしいプレイも随所に見られ、悪くないシーズンだったと言えるのではないか。

細かい数字を見ると、今季の中島は45本のシュートを放っており、これはMFカルリーニョス(47本)に次いでチーム2番目に多い。

お得意のドリブルはチーム3位となる41回の成功数、チャンスメイク数はこちらもカルリーニョス(38回)に次いでチーム2位となる37回を記録。プレイタイムではカルリーニョスが2295分プレイしているのに対し、中島は1774分だ。それを考えると中島の数字は印象的だ(データは『WhoScored』より)。

またチーム全体が攻撃面で苦戦しているところがあり、今季のポルティモネンセはリーグ戦34試合を消化して31得点に留まった。18チーム中13位には入ったものの、得点数は降格圏の17位トンデラより10点も少ない(トンデラは41得点)。チームが攻撃の組み立てに苦戦気味だったことを考えても、中島の今季はまずまずだったのではないか。

最終節のマリティモ戦でも得点こそなかったが、中島は攻撃面で良いプレイもあった。今後日本代表はカタール大会へテストマッチを重ねていくことになり、どこかで中島にもチャンスが欲しいところ。

2019年の夏には移籍情報サイト『Transfermarkt』にて2500万ユーロもの市場価値がつけられ、中島は森保ジャパンの中でも1番と言っていい出世株だった。それが現在は350万ユーロまで低下してしまっているが、まだ27歳と若い選手だ。ワールドカップもある2022年は再び中島にスポットが当たる1年になってほしい。

それをサポーターも望んでいるはずで、中島のアイディア溢れるプレイはワールドカップ本番にてドイツやスペインに一瞬の隙を作り出すことに繋がるのではないか。もう一度代表の10番を奪えるのか、中島の残り半年間に期待だ。

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