今年の2月より離脱が長引いているアーセナルDF冨安健洋。チームはもちろんサポーターも復帰を待ち望んでいるのだが、それも当然だろう。前半戦で見せた冨安のパフォーマンスが想像以上に強烈だったからだ。
数字を見ると、今季のインターセプト数ランキングではチーム3位の19回を記録。2位はMFトーマス・パルティ(23回)、1位はDFベン・ホワイト(40回)となっているが、両者とも出場時間は冨安より700分以上長い。
タックル成功数は30回でチーム6位となっているが、数字で見るとあまり差がない。5位ブカヨ・サカ(32回)、3位ガブリエウ・マガリャンイス(34回)、ベン・ホワイト(34回)、2位マルティン・ウーデゴー(40回)、1位パルティ(43回)。これも上位5名のプレイタイムは全員2000分を超えており、冨安の1385分間とは差がある。
クリア回数も冨安は依然チーム4位となる43回、パスブロックとクロスブロック数を合わせた数字は何とチーム1位の25回、空中戦勝利数は3位の43回。これも2位マガリャンイス(46回)、1位のベン・ホワイト(54回)とあまり差がなく、1試合平均では2.7回で冨安がトップだ。
英『Sportkeeda』は、冨安をすでに「プレミアリーグ・右サイドバックランキング」にて5位に選んでいる。4位はチェルシーからサウサンプトンに移籍して大絶賛されている19歳のティノ・リヴラメント、3位からはイングランド代表よりカイル・ウォーカー、2位にリース・ジェイムズ、1位がトレント・アレクサンダー・アーノルドとなっており、イングランド3人衆が選出されているのは妥当か。
それでもプレミアリーグ初挑戦で僅か16試合しかこなしていないにも関わらず、5位に入ってくる冨安は見事だ。冨安は日本人DFとしては珍しい大きくて速いDFで、それがプレミアリーグに対応できている大きな理由の1つだ。地上、空中の両方で1対1に強さがあり、広範囲をカバーするスピードと読みの鋭さも併せ持つ。
怪我が長引いているのは心配で、ここはプレミア独特の激しい戦いと厳しいスケジュールに慣れていく必要はあるだろう。その条件さえクリアできれば、冨安はプレミアでもトップクラスのDFとの評価を確立できるはずだ(数字は『WhoScored』より)。