デ・ブライネをも超える両翼の《84アシスト》 リヴァプール式で完成する史上最高峰の攻撃型サイドバック

仲良く何やら話し合うロバートソン(左)とアーノルド(右) photo/Getty Images

リヴァプールだからこそ完成する攻撃型サイドバック

まさかサイドバックがプレミアリーグのアシストランキングを支配する時代がくるとは。

2018-19シーズンより、プレミアリーグでアシストを量産してきたのがリヴァプールのトレント・アレクサンダー・アーノルドと相棒のアンドリュー・ロバートソンだ。

2人でシーズンのアシスト数を競う間柄でもある2人は、アーノルドが2018-19シーズンよりプレミアリーグで44アシスト、ロバートソンが40アシストを記録しており、これは同期間ではプレミアNo.1とNo.2だ。
2人に続くのはマンチェスター・シティMFケビン・デ・ブライネ(37アシスト)、4位がリヴァプールのモハメド・サラー(34アシスト)、5位がトッテナムFWソン・フンミン(32アシスト)となっており、彼ら攻撃陣をサイドバックが上回ってくる時代だ。

2人の実力が高いのはもちろんだが、何よりもリヴァプールのスタイルに合っているのが大きい。アーノルドもイングランド代表ではまだ右サイドバックの定位置を確保できていない状態で、マンCのカイル・ウォーカーの方が序列は高いとも言える。代表では守備が重要視されるところもあり、アーノルドの起用にはリスクもあるのだ。

しかし、リヴァプールでは背後をフィルジル・ファン・ダイクやイブラヒマ・コナテ、ジョエル・マティプら機動力を備えるセンターバックが広範囲にカバーしてくれる。彼らの存在がいるからこそ、アーノルドとロバートソンが思い切って前線に顔を出せるのだ。残念ながら、イングランド代表にはここまでカバー能力の高いワールドクラスのセンターバックは見当たらない。

ロバートソンの場合は、スコットランド代表で守備の時間が長くなるところがある。強豪という位置付けではないため、サイドバックが自由に攻撃参加できるわけではない。そのためロバートソンは代表キャップ数56試合を記録しながら、アシスト数は4つと少ない。スコットランド代表にワールドクラスの点取り屋が揃っていないことも影響しているだろうが、キャプテンマークも巻くロバートソンはリヴァプールとスコットランド代表で異なるタスクを担っている。代表では何より守備が重要だ。

それもリヴァプールでは変わる。守備を軽視していることはないだろうが、2人ともチャンスメイカーとしてどんどんポジションを上げてくる。今後も2人のアシスト数は伸びていくはずで、リヴァプールの両翼は当分止められそうにない。

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