上田封じの角田に、岩崎・小川の元高校サッカー選手権主役コンビ 2022年のJリーグ序盤戦で最も飛躍した選手は誰?

マリノスでは守護神高丘と共に安定したパフォーマンスを見せる角田涼太朗(左) photo/Getty images

今季も面白い選手たちが躍動している

2月の開幕から時間もたち、今季の各クラブの立ち位置が分かってきたJリーグ。J1でいえば柏レイソルが5勝1分2敗と好調を維持しており、4位につけている。若手の細谷真大が頼れるストライカーとして開花しており、どこまでこのスタートダッシュを維持できるか注目だ。

細谷と同じく若手であれば、横浜F・マリノスの角田涼太朗は今季一気に頭角を現したセンターバックだ。F・マリノスのCBは層が厚く、今季のオフにはチアゴ・マルチンスの穴をサガン鳥栖からエドゥアルドを獲得して埋めている。そのため、エドゥアルドを中心に岩田智輝や畠中槙之輔を中心にローテーションするかと思われたが、清水エスパルス戦でチャンスを掴んだ角田がCBの序列最上位にまで上がってきた。22歳と若い選手であり、ビルドアップと対人性能の高い守備で活躍する現代的な選手だ。組み立てでは利き足の左から縦パスをバンバン通しており、ミスからピンチを招いてもひるまず、その攻撃的なパスをやめることはない。守備では判断力がよく、相手に使われることの多いディフェンスラインの裏のスペースをカバーしている。

サガン鳥栖の岩崎悠人も角田同様に今季チャンスを掴んだ選手だ。京都橘高校在籍時に出場した冬の高校サッカー選手権で知名度を上げ、京都サンガF.C.でプロデビューした岩崎。しかし、ここまで初年度のインパクトを超えられず、複数のクラブを転々とし昨季鳥栖にやってきた。すると、今季は開幕から本来のFWの位置ではなく左ウイングバックとして起用されはじめ、これが大当たりとなった。元からあった豊富な運動量と攻撃的な意識の高さ、切り替えの早さが求められるWBは岩崎の強みが最もよく生かせるポジションであり、開幕から7試合に出場している。すでに鳥栖の中心となっており、右の飯野七聖と共に強力なWBとしてチームを支えている。

J2に目を向ければ横浜FCがここまで首位を快走している。チームの中心はやはりここまで9試合で8ゴールを決めている小川航基だ。小川も岩崎同様に冬の高校サッカー選手権で一躍時の人になったことがあり、アンダー世代では代表での常連だったが、プロでは苦戦。それでも、岩崎はポジション変更で、小川は所属クラブを変えて心機一転したことで今季のサプライズとなっている。小川は186cmと長身FWであり、日本代表でいうところの大迫勇也のような起用法をされていたが、横浜FCの四方田修平監督の下ではシャドーとして使われ、これが大当たり。最前線の選手がマークを引き連れてくれることで小川への注意がそがれ、ある程度前線で自由になることで持ち前の攻撃力の高さを存分に発揮している。守備時の献身性も小川の強みの一つであり、今後の飛躍が非常に楽しみな選手である。

角田22歳、岩崎23歳、小川24歳とまだ若い今季の注目選手たち。特に角田は鹿島アントラーズ戦で上田綺世、鈴木優磨の2人を抑えており、試合を重ねるごとに評価を上げている。若手の成長速度はすさまじく、これからのプレイぶりに注目したい。

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