フォーデンより優れたタレントは英国にいない? アグエロも称賛するシティアカデミー最高傑作が持つ適応力

ビッグマッチでも頼れる選手となりつつあるフィル・フォーデン photo/Getty images

高いクオリティを備えている

トレント・アレクサンダー・アーノルド、ジュード・ベリンガム、デクラン・ライス、メイソン・マウントとイングランドは人材の宝庫だ。すべてポジションで若手が台頭しており、GKにもアーロン・ラムズデールという逸材が出てきた。その中でも特に存在感を増しているのはフィル・フォーデンであり、まだ21歳というのが驚きである。

マンチェスター・シティのアカデミーで育ち、そのままトップチームデビューを飾ったフォーデン。デビュー当時はダビド・シルバの後継者として期待されていたが、試合を重ねるごとに自身のスタイルを確立し、シルバの後継者と呼ばれることは少なくなっている。

フォーデンは11日のリヴァプール戦に左ウイングとして出場。今季は偽9番として3トップの中央での起用が目立った同選手だが、左サイドでキープ力と裏への抜け出す技術の高さを見せて躍動していた。残念ながら得点に絡むことが出来なかったが、リヴァプール相手に奮闘していたことは間違いない。

そんなフォーデンの強みは多くドリブルやパスなど複数挙げられるが、最も評価されるべきは適応能力の高さだろう。ペップはフォーデンを固定したポジションで起用せず、試合ごとに違う役割を与えている。今季であれば前線での起点作成が主な仕事である偽9番が多かったが、リヴァプール戦ではA・アーノルドの裏のスペースを狙う役割をフォーデンに任せており、それは非常に効果的だった。終盤にはジャック・グリーリッシュが入ったことで従来の中央の位置に戻り、フィルジル・ファン・ダイクを相手にポストプレイを成功させていた。ラヒーム・スターリングは前半オランダ代表DFに成す術なかっただけに、さすがの活躍だった。

守備ではネガティブトランジションの速さを見せ、押し込まれた際は左サイドバックのジョアン・カンセロの位置まで下がって最終ラインに吸収されながら、相手のエースであるモハメド・サラーの動きを制限している。前回のゲームでは自陣の守備組織が整っているのにも関わらずサラーに崩されており、両ウイングを最終ライン付近に置いたのはサラーとサディオ・マネを封じるためだろう。

「フォーデンはイングランドの同じ若い世代で最も才能のある選手。彼は素晴らしいプレイヤーで、ケビン・デ・ブライネへのアシストはどこからでもチャンスを生み出せる良い例でした」

英『talk SPORT』では元シティのセルヒオ・アグエロがフォーデンを称賛している。ここではアトレティコ・マドリード戦でのアシストについて触れている。確かにあのパスは才能の大きさを認めざるをえないものであり、リヴァプール戦でもゴールこそなかったが、随所で高いパフォーマンスを発揮していた。まだ21歳と信じられないくらい若い選手だが、アグエロの言うようにイングランド国内ではマウントやエミール・スミス・ロウのように近いスタイルの選手と比較すれば別格であるということが分かる。チームへの貢献度、前述した適応力の高さは抜けており、シティ、イングランド代表を今後長くけん引することになるのは間違いないだろう。

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