昨夏のEURO2020を制した際には完全復活が近いかと思われたが、イタリア代表は4年前のロシア大会に続いて今年のワールドカップ・カタール大会の出場権も失ってしまった。
イタリアサッカー界が再び世界の頂点に立つにはどうすればいいのだろうか。
クラブシーンを見ても、今季のチャンピオンズリーグ・ベスト8にはイタリア勢が1つも残っていない。ヨーロッパリーグはアタランタ、今季から新設されたカンファレンスリーグにはローマがベスト8に残っているが、準々決勝の1stレグではノルウェーのボデ・グリムトに1-2で敗れてしまった。
ローマはグループステージでもボデ・グリムトに1-6の大差で敗れた苦い記憶があり、ベスト4進出へ嫌な気配が漂う。ヨーロッパリーグを戦うアタランタの方も準々決勝1stレグではドイツのライプツィヒと1-1で引き分けていて、当然ここで敗れる可能性もある。そうなればイタリア勢は欧州カップ戦から全滅となる。
チャンピオンズリーグも2009-10シーズンにジョゼ・モウリーニョ率いるインテルが制して以降はイタリア勢の優勝がない。代表、クラブの両面でイタリアサッカー界には課題が目立つ。
伊『Corriere dello Sport』によれば、名将ファビオ・カペッロ氏はイタリアの復活までかなり時間がかかると厳しい見方を示す。
「イタリアのサッカーは他国とかなりの差がある。ボールが素早く動かないし、レフェリーが笛を吹きすぎる。頻繁にプレイを止めすぎだ。すべてのチャレンジがファウルとなるため、インテンシティがない。最大の問題はベストプレイヤーがセリエAにこないことだ」
「復活には8年かかっても不思議ではない。ユース部門の人間はスペインへ向かってテクニックを学ぶべきだ。戦術ではなくね」
いわゆるデュエルと呼ばれるものや、攻守の素早い切り替えは現代サッカーに欠かせないものであり、その部分でイタリアがやや遅れているところはあるのかもしれない。レフェリングは地域ごとに微妙な差が出ることもあり、代表の強化へセリエAもプレイを流していく必要があるのだろう。こうした考え方は近年のJリーグにも見られるものだ。
2026年大会からは出場国が48に拡大されるが、次回こそはアズーリをワールドカップで見られるか。その前にセリエAをさらに強化したいところで、この4年間でイタリアサッカー界全体がどう変わるのか楽しみだ。