ケインやベンゼマがセンターフォワードの頂点? 点を取るだけじゃ務まらない最先端のFW事情

トッテナムでプレイするハリー・ケイン photo/Getty images

トレンド化している

7日に行われたチェルシー対レアル・マドリードの一戦はカリム・ベンゼマのハットトリックもあって1-3でレアルが1stレグでの先勝を手にしている。レアルがチェルシーの堅守を完璧に崩し切ったわけではないが、ベンゼマが難しいヘディングシュートを2本沈めチームを勝利に導いている。

このゲームでのベンゼマの役割は得点だけでなく、それまでの過程も自身で生み出していた。先制点がまさにその形であり、少し下がってチアゴ・シウバをひきつけ、左サイドのヴィニシウス・ジュニオールとワンツーを行う。シウバはベンゼマについていたため、ヴィニシウスと同時に同じ位置から反応することになり追いつけず、ヴィニシウスのクロスで最後はベンゼマが仕留めている。ベンゼマのチャンスメイカー、ストライカーとしての動きが一つのシーンで映し出された。

選手それぞれに監督が求めるタスクは年々増えており、それはストライカーにも大きな影響を及ぼしている。もはや得点を取るだけではダメで、献身的な守備やベンゼマのようなチャンスメイク力も求められている。

ベンゼマのようなトップストライカーはそういった傾向にあることが多く、トッテナムのハリー・ケインはそれが顕著に表れている。特に昨季は好調ということもあってスタッツにも残っており、プレミアで14アシストを記録してアシスト王となった。

英『THE SPORTSMAN』でもケインのこれまでのパフォーマンスを称賛しており、ストライカー、チャンスメイカーの両立はケインをプレミアで最も優秀な選手にすると主張している。実際にその2つのスタイルで両立することで得られるメリットは多く、ジョゼップ・グアルディオラがマンチェスター・シティで偽9番を軸に戦うのは、センターフォワードが降りてくることで生まれるスペースを有効に活用するためだ。基本的にシティのようなトップクラブになると対戦相手がアトレティコ・マドリードのように自陣に引いてくることが多い。そうなれば高さのあるFWがいないシティではクロスが有効とならず、選手の動き出しで得点までの道筋を描くことになる。シティがケインを欲しがるのは高さでも、動き出しでも得点を目指せるからであり、仮に今のシティにケインがいればアトレティコが1失点で抑えていたかどうかは分からない。

中堅や下位クラブではそうでないが、ビッグクラブにステップアップするにつれてCFに求められることは多くなり、その一つにポジションを下げてのチャンスメイクがある。リヴァプールであればロベルト・フィルミーノ、チェルシーではカイ・ハフェルツがその役割をクラブで任されており、その万能性がなければビッグクラブでの活躍は難しいかも知れない。

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