遠藤航を中盤の底に固定する必要はない? 日本代表が採用するアンカーの役割と新たな適任者

代表でのパフォーマンスは素晴らしい守田英正 photo/Getty images

テストするべきだ

プレミアでいえばマンチェスター・シティやリヴァプールが、リーガ・エスパニョーラではバルセロナやレアル・マドリードといったクラブが[4-3-3]を採用している。その中で重要なのはアンカーであり、ロドリやファビーニョ、セルヒオ・ブスケッツ、カゼミロらは高い評価を得ている。

アンカーに必要な能力として挙げられるのは、パスの中継地点になること、ボール奪取を行える守備力、そしてミスが少なく安定することだ。パスがつなげなければチームは機能不全に陥り、守備力が足らなければ中盤のフィルターが機能せず、最終ラインの負担が大きくなってしまう。

日本代表も前述したチームと同じようにアンカーを採用するチームであり、現状では遠藤航がこのポジションを務めている。配球力、守備力共に日本トップクラスであり、特に守備に関してはブンデスリーガでも高い評価を得ている。このままいけばワールドカップ・カタール大会でアンカーを務めるのは彼になり、チームに安定感をもたらしてくれるはずだ。

しかし、現状では遠藤くらいしか代表のアンカーを務められる選手はいない。ベトナム戦では柴崎岳がアンカーを務めた。彼のパスは正確であり、それはロドリらにも引けを取らないが、本来はもう一つ前で使いたい選手だ。

現状ではインサイドハーフを務めている守田英正が、遠藤と同レベルのパフォーマンスをアンカーとして見せられる数少ない選手だといえる。ここまではインサイドハーフやダブルボランチの一角での起用だったが、川崎フロンターレ時代はアンカーを務めており、適性は十分にある。また、守田をアンカーで起用することによって遠藤の攻撃力が生かされることになる。遠藤は所属クラブであるシュツットガルトではダブルボランチやインサイドハーフとして起用されており、アンカーでプレイしているわけではない。そのためか、アンカーでプレイしていてもインサイドハーフとしてプレイしているような推進力のあるドリブルやミドルシュートを見せてくれる。アンカーは基本的に遠藤のように動き回ることは良しとされておらず、遠藤インサイドハーフ、守田アンカーというのも試してみたい。守田は遠藤を上回る冷静さと狭いエリアを打開できるテクニックを持っており、彼が配球に徹することになればより代表の攻撃はスムーズになるかもしれない。

ホームでのオーストラリア戦から採用されている[4-3-3]。このシステムではアンカーが非常に大事であり、遠藤だけでなく守田をこのポジションで起用するという一つのオプションはカタール大会までに見ておきたいプランの一つだといえる。

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