45分しかプレイできなかった旗手怜央の評価は? セルティックで名を揚げた男のアジア最終予選初先発の出来

アジア最終予選で初先発を飾った旗手怜央 photo/Getty images

悪い評価とはならないはずだ

運命のオーストラリア戦から9人のスタメンが変更されたベトナム戦。中山雄太や久保建英らがスタートから起用された。しかし、前半は上手くいかず、旗手怜央を下げて伊東純也を投入し、[4-3-3]から[4-2-3-1]に変更。この判断が功を奏し、後半はスムーズに攻撃が展開された。

特に終盤は攻め続ける展開となったわけだが、アジア最終予選初先発の旗手の出来はどうだったのか。旗手は川崎フロンターレからセルティックに今冬で移籍しており、成功を収めている。タイミングもあってフル代表には選ばれていなかったが、このタイミングで満を持しての起用となった。しかし、出番は前半のみであり、旗手が外れた後半では攻守に安定感が生まれている。ここで旗手の実力に疑問を持つ人も多いかも知れないが、それで判断を下すのはまだ早い。

旗手の良かった点は献身的な守備と味方を生かす動き出し、そしてポジショニングにある。守備は常に献身的であり、彼が鋭いプレッシングを行うだけでベトナムのビルドアップが崩れるシーンがあった。これをやってくれるだけで守備陣は楽であり、世界にも通用する武器である。

ポケットと呼ばれるペナルティエリア内の角を取る動きもあり、効果的だったが、残念なのは三笘薫からパスが出なかったことだ。確かに三笘の武器はドリブルだが、相手から2枚付かれた状態で、なおかつペナルティエリア内にあれだけ守備者がいれば難しい。それでも、実際に三笘に食いついた二人の守備者が空けたスペースに旗手が動き出すシーンは見られており、パスが出ていたらフリーでクロスなどのチャンスメイクを行えていただろう。後半に下げられたのはパフォーマンスではなく、システム変更によるものだった。

アジア最終予選で初先発となるも、不完全燃焼に終わってしまった旗手。それでも、プレイの一つ一つに彼の良さが出ており、今後も継続して代表に選ばれるはずだ。

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