主戦場が中盤から変わった? 今季3度目のエル・クラシコで分かった過去から現代への変化

今回のクラシコの主役となったのはオバメヤンやトーレスらFW陣だった photo/Getty images

バルセロナが一気に格を戻した試合でもある

4-0と衝撃なスコアで幕を閉じた今季3度目のエル・クラシコ。敗戦となったレアル・マドリードにはカリム・ベンゼマという大エースが不在というハンデがあったものの、ここまで差が付くと思ったサポーターは少ないはずだ。それほどに今のバルセロナが好調で、ここ最近あったレアルがバルセロナより優れているという考えは捨てたほうがよさそうだ。

そんなクラシコだが、英『The Athletic』では「以前までのクラシコは中盤がゲームを支配していたが、現在はよりウイングが重要になっている」と主張をしている。

確かにこれは的を射た意見だ。少し前のバルセロナは中盤にセルヒオ・ブスケッツ、シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタがいて、さらにリオネル・メッシが前線から中盤に降りてプレイしていた。それに対抗するようにレアルの中盤にも強力な戦力がおり、ミドルサードをどう制するかが話の中心だったが、現代に進むにつれてクラシコはより前への意識が高くなっている。

それは両クラブのプレイに現れており、バルセロナであればジェラール・ピケやエリック・ガルシアが前線のピエール・エメリク・オバメヤンやフェラン・トーレスに一気に展開する場面は何度も見られた。レアルであればエデル・ミリトンが左サイドのヴィニシウス・ジュニオールに中盤を省略してパスを出している。中盤を省略するやり方は非常に効果的であり、バルセロナはピケのロングフィードが起点となって最終的にはオバメヤンがゴールを決めた。

レアルがこのクラシコで劣っていたのは中盤の配置ではなく、前線のクオリティだった。ベンゼマの不在やヴィニシウスの不調でさらにバルセロナと差が開いており、キリアン・ムバッペとアーリング・ハーランドの2枚取りをレアルが画策している理由もわかる。クラブは前線の戦力に物足りなさを感じているのだ。エデン・アザール、ガレス・ベイル、若手でいえばルカ・ヨビッチがいるが、正直彼らへの期待感は薄い。

大きな差として表れた前線のクオリティ。バルセロナは今冬の移籍でその部分を底上げしており、大成功となった。レアルはベンゼマがいればパリ・サンジェルマンをも倒せる力はあるが、いなければかなり苦しいということは今回のクラシコで再確認できたはずだ。

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