ファン・ダイクはネスタ、マルディーニら超える“史上最高CB”なのか 欠点なき守備職人の実力

リヴァプールの番人ファン・ダイク photo/Getty Images

FWと違って比較は難しい

アタッカーの場合は単純にゴール数で優劣を比較することもできるが、センターバックはそうした数字で比較するのが難しいポジションだ。史上最高のアタッカーならリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドの2人に多くの票が集まるだろうが、史上最高のセンターバックの場合はそうもいかない。かなり意見は割れるだろう。

では、現在のリヴァプールDFフィルジル・ファン・ダイクはどの位置にいるのだろうか。今季もファン・ダイクのパフォーマンスは高い評価を得ており、リヴァプールに移籍してからは2018-19、2019-20シーズンも合わせて現世界最高のセンターバックと言われる機会も多くなっている。

世代の近い現役プレイヤーなら数年前のセルヒオ・ラモスも世界最高のセンターバックと言われてきたが、両者に共通するのは目立った欠点がないことだ。ファン・ダイクは高さ、パワー、サイズに似合わぬ広範囲をカバーするスピード、ラインコントロール、1対1の強さ、さらに現代のセンターバックに求められる足下の技術も高い。ラモスはファン・ダイクほど高さはないが、全盛期の身体能力は驚異的だった。加えてここ一番の得点力はDF史上最高と言っていい。

ネスタも世界最高級DFの1人として有名 photo/Getty Images

往年の名センターバックたちに匹敵する実力者

歴代のセンターバックも含めるなら、イタリアが誇るパオロ・マルディーニ、フランコ・バレージ、ファビオ・カンナバーロ、アレッサンドロ・ネスタや、ドイツのフランツ・ベッケンバウアー、2000年代ではイングランドのリオ・ファーディナンドやジョン・テリー、スペインのカルレス・プジョルといった選手も入ってくるか。

英『Squawka』は万全の状態のファン・ダイクはネスタ、ファーディナンド、テリー、ネマニャ・ビディッチ、リカルド・カルバーリョらと同じレベルにあると主張する。つまりは限りなく史上最高に近いとの評価だが、ファン・ダイクの場合足下の技術はネスタやテリーといった歴代プレイヤーをも超えているかもしれない。

弱点の少ないパーフェクトに近いセンターバックなのは間違いないが、ファン・ダイクは史上最高のセンターバックなのか。今季は所属するリヴァプールも波に乗っており、このままプレミアリーグやチャンピオンズリーグのタイトルを再び獲得することになれば、チームタイトルの観点からもファン・ダイクの評価は上昇するだろう。

さらに今年はワールドカップ・カタール大会が控えており、オランダ代表は出場を決めている。ここでもファン・ダイクのパフォーマンスには注目が集まるはずで、上位進出となれば「ファン・ダイク史上最高センターバック説」も現実的なものとなってくるかもしれない。

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