本当に欠かせないのはディアスではなくラポルト? ダービーで披露した最終ラインの司令塔としての役割

守備本来の能力は劣るも、ビルドアップで違いを見せるラポルト photo/Getty images

ビルドアップでの貢献は唯一無二だ

7日に行われたマンチェスター・シティ対マンチェスター・ユナイテッドのマンチェスターダービーは4-1でホームチームが白星を挙げている。シティとしては2-3と26節でトッテナムに敗れてしまったが、そこから崩れることなく公式戦では3連勝目となった。

そんなシティだが、この重要な一戦を頼れるディフェンスリーダーを欠いて試合に臨んでいる。ルベン・ディアスのことだ。24歳と若い守備者だが頼れるCBであり、序列でいえば最上位に位置している。とはいえ、シティの選手層は厚く、ディアスの代役としてジョン・ストーンズが入っている。ジェイドン・サンチョにゴールを許したが、それ以外は跳ね返して勝利に貢献している。

今後もディアスの代わりにストーンズが入ることで問題ないといえるが、この試合で光ったのはアイメリック・ラポルトのビルドアップだった。確かに守備時の対応はディアスやストーンズに劣るスペイン代表DFだが、彼の左足から繰り出される縦パスは素晴らしい。特に前半はストライカー、ラポルトともにプレスを仕掛けられていたが、それでも左サイドのジャック・グリーリッシュや前線のフィル・フォーデンにパスをつけている。

ストーンズも同様のことをできる選手だが、やはり縦パスを出す際の判断力はラポルトに分があるといえる。59分のシーンがまさにそうであり、ストーンズのパスを受けたフォーデンがロストし、ショートカウンターを仕掛けられている。最終的にはジョアン・カンセロがカバーに入り難を逃れたが、あの危険な位置へのパスはいただけない。もちろん、失ったフォーデンにも非はあるが、そこで失えばどういったことが起こるのか予測を立ててビルドアップを行う必要がある。今季はストーンズよりラポルトがペップに重宝されているが、こういった部分での違いが先発数の差につながっていると考えられる。守備での対応も大事だが、特にシティではCBが司令塔として攻撃を操る機会は多く、ペップが何を求めているのかがわかる。

ディアスに続き、ネイサン・アケも負傷で起用できないシティ。当分の間はストーンズ、ラポルトのコンビで戦うことになっており、現状の課題を改善しさらなる成長に期待したい。

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