5000万ポンドの移籍金は適正額だった? 加入当初の批判をパフォーマンスで静めたベン・ホワイトの働きぶり

ここまで素晴らしいパフォーマンスでチームを支えるベン・ホワイト photo/Getty Images

批判は聞かなくなった

クリスタル・パレスと対戦し、1-0で勝利を掴んだチェルシー。しかし、この試合に先発したロメル・ルカクはフルタイム出場し、タッチ数はわずか7回に。同じく前線のカイ・ハフェルツは47回、ハキム・ツィエクは76回となっており、ゲームへの貢献度の低さから批判されてしまっている。

確かにゲームに入ることができていないようだが、ルカクへの風当たりの強さは高額な移籍金が影響しているだろう。ルカクはインテルから9750万ポンドでやってきたと言われており、今のパフォーマンスであれば批判も仕方ない。同じく1億ポンドでマンチェスター・シティへ行ったジャック・グリーリッシュへの批判も大きく、彼らが注目を集めるのは高額な移籍金で移籍した選手の宿命なのかも知れない。

しかし、彼らの影に隠れてか、批判がほぼなくなった選手もいる。アーセナルのDFベン・ホワイトだ。

プレミアのブライトンからやってきた24歳のホワイト。移籍金は5000万ポンドであり、グリーリッシュ、ルカク、ジェイドン・サンチョに続く今夏の移籍市場で4番目の高額な移籍金が支払われた。

彼のここまでのパフォーマンスは素晴らしいの一言だ。加入直後からチームにフィットし、ガブリエウ・マガリャンイスとのセンターバックコンビは鉄板となっている。特にビルドアップでの貢献度が大きく、パス成功数908本はマガリャンイスと共にチーム上位の数字を残している。

守備面ではビルドアップほど頼もしくないと加入前は言われていたが、その評価はあてにならなかった。インターセプト数28回はチームトップであり、空中戦勝利数43回は日本代表の冨安健洋と共にチームトップの数字だ。守備時の読みが鋭く、このインターセプト数は納得だ。また、CB以外にもサイドバックをこなせるユーティリティ性は彼を獲得した一つの要因だろう。現状では冨安の代わりをセドリック・ソアレスが担っているが、彼も怪我となった場合に控えがいなくなる。そこでホワイトが右SBでプレイできれば、これほどに頼もしいことはない。

加入直後は高すぎる移籍金に批判が集まっていたホワイト。しかし、時間が経つにつれてパフォーマンスが評価されたのか批判はルカクらに集まることになっている。夏の移籍金ランキングを見ても、ラファエル・ヴァランやエミリアーノ・ブエンディアのように現時点で大成功と呼べる補強は少なく、ホワイトが最も成功した夏の補強だったといえるか(データは『SofaScore』より)。

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