“可変式ビルドアップ”がモウリーニョ・ローマの新たな武器に アクセントとなった二枚看板の上下動

今冬にローマに加入し、自軍のビルドアップに貢献しているメイトランド・ナイルズ photo/Getty Images

エンポリ戦で見せつけた攻撃力

23日に行われたセリエA第23節で、エンポリに4-2で勝利したローマ。

24分に、MFセルジオ・オリベイラのミドルシュートに反応したFWタミー・エイブラハムが先制ゴールを挙げると、33分にも同選手がコーナーキックのこぼれ球を押し込み、追加点をゲット。

2点のリードを奪ったローマの勢いは止まらず、35分に右サイドからのクロスに反応したオリベイラがシュートを突き刺したほか、37分にもMFヘンリク・ムヒタリアンのクロスを受けたFWニコロ・ザニオーロがゴールを挙げ、勝負あり。

後半に2失点を喫したものの、前半の猛攻が実を結び、公式戦3連勝を飾っている。

ローマを率いるジョゼ・モウリーニョ監督にとっての収穫は、ビルドアップの新たなパターンを確立できたことだろう。

16日のカリアリ戦(第22節)では[4-2-3-1]の布陣を敷き、オリベイラとジョルダン・ヴェレトゥの2ボランチと、自陣後方へ降りたトップ下のムヒタリアンを起点とするビルドアップに活路を見出していたが、エンポリ戦では[5-3-2]の布陣を採用。

ビルドアップの際に、リック・カルスドルプとエインズリー・メイトランド・ナイルズの両ウイングバックのどちらかが最終ラインに残り、もう一方が中盤へ上がることで、一時的に4バックを形成。

エンポリは[4-3-2-1]の布陣を敷き、最前線のアンドレア・ピナモンティと、2シャドーのネディム・バイラミとリアム・ヘンダーソンの計3人でローマの3センターバックを捕捉しようとしたが、ローマが5バックと4バックを使い分けたことで、ボールの奪いどころを定めきれなかった。

3セントラルMFの両脇、シモン・ジュルコフスキとフィリッポ・バンディネッリが中盤から飛び出し、ハイプレスに加わるという工夫が見受けられたものの、最終ラインに残ったローマの両ウイングバックのどちらかまでの距離が遠く、チェイシングが間に合わず。特に前半はエンポリの守備が機能不全に陥っていた。

カルスドルプとメイトランド・ナイルズが上下動を繰り返したことで可変式ビルドアップが機能し、前半だけで4ゴールを奪ってみせたローマ。

自陣後方でパスを回しながら相手選手を誘い出し、この瞬間に最前線へロングパスを送ることで発動される速攻が、今後も同クラブの大きな武器となりそうだ。

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