イングランドでのキャリアは概ね成功 ヤング・アーセナルに誕生した“走れるエジル”

今季は序盤から大活躍を見せている photo/Getty Images

アーセナル移籍は成功だったようだ

日本代表の冨安健洋(23)をはじめとする若手選手中心のチームで勝ち星を積み上げているアーセナル。直近のリーズ戦でも4-1での快勝を収め、勝ち点32ポイント、暫定ではあるがリーグ4位に付けている。

得点者もガブリエウ・マルティネッリ(20)、ブカヨ・サカ(20)、エミール・スミス・ロウ(21)と若く、彼らを中盤から操っているのが、ノルウェーの神童ことMFマルティン・ウーデゴー(23)だ。

ノルウェーのストレームスゴトセトでデビューした逸材は、すぐにスペインの白い巨人ことレアル・マドリードに見いだされ、引き抜かれている。そこからはローン移籍で武者修行を繰り返し、オランダのヘーレンフェーンやスペインのレアル・ソシエダを渡り歩いて昨季アーセナルに加わった。フルシーズンではなく、冬の移籍市場での獲得であり、イングランドでは短い時間しかプレイすることはできなかったが、指揮官であるミケル・アルテタへのアピールは十分であり、今夏の移籍市場では完全移籍で獲得されている。

今季は一時期出場機会を減らしたものの、最近は積極的に起用されている。前線では右にサカ、中央にウーデゴー、左にスミス・ロウ(マルティネッリ)の形が定番となっており、リーズ戦でも先発を果たしている。この日も高精度のパスを供給できる左足から好機を演出しており、チームトップとなる5本のキーパスを見せている。4点目となったスミス・ロウへのアシストに英『football.london』では「エジルと同じビジョンが見えている」とウーデゴーのラストパスを高く称賛している。メスト・エジルといえばアーセナルやレアル・マドリードで長く活躍したウーデゴーと同じくレフティのチャンスメイカーであり、アイデア溢れるラストパスを得意とする選手であった。15-16シーズンには19アシストを記録した選手であり、ウーデゴーに対する最大の賛辞といえる(データは『WhoScored.com』より)。

そんなウーデゴーだが、エジルを現代型に昇華させたタイプか。ノルウェー代表は魅力的なアシストもできるが、それ以上に攻守に走れる選手だ。リーズ戦でもプレス回数はチームで4番目となる19回を記録しており、さながら走れるエジルとしてチームに貢献している(データは『FBREF』より)。

レアルでは思うように活躍できなかったウーデゴーだが、アーセナルは中心選手として継続した出場機会を与えられている。まだ20代前半と若く、さらなる成長が見られるだろう。

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