ビッグクラブ間での争奪戦は間違いなし? エヴァートンが失うかもしれないベインズの後継者

イングランドでも評価の高いディーニュ photo/Getty Images

クラブは監督を取るのか、選手を取るのか

プレミアリーグで優勝争いをするほどの力はないが、上位との直接対決であれば怖さを見せるのがエヴァートンの特長だ。いわゆる侮れない中堅クラブというのが彼らの立ち位置であり、今季も好調アーセナルを破っている。しかし、プレミア第17節終了時で14位と苦戦気味であり、今シーズンも中堅の枠組みから抜け出すことは難しいだろう。

それでも、彼らはBIG6でプレイしていてもおかしくはないタレントを揃えている。今夏の移籍市場で退団してしまったが、元レアル・マドリードのハメス・ロドリゲスが在籍していたことは記憶に新しい。既存メンバーであれば、ドミニク・カルバート・ルーウィンや元ナポリのアラン、ブラジル代表のリシャルリソンと実力者を揃えている。フランス代表のDFリュカ・ディーニュもその一人だ。

フランスのリールでデビューしてパリ・サンジェルマン、ローマ、バルセロナと各国の名門クラブを経由し、2018年からトフィーズでプレイするディーニュ。長くクラブでプレイしていたレイトン・ベインズの後釜として左SBに定着しており、昨季はリーグ戦で7アシストを記録している。この数字からも分かる通りクロスから違いを生み出せる選手であり、エヴァートンの左サイドでは不動の存在だ。今季も継続して出場機会を得ていたが、1-4で大敗したリヴァプール戦以降、出番を得られていない。

英『Daily Mail』によれば、指揮官であるラファエル・ベニテスと意見の食い違いからトレーニングで衝突してしまったようだ。それでも、ベニテスはフランス代表DFを先発で起用しようと考えていたようだが、選手側から体調不良を訴えられ、直近3試合ではベンチ外となっている。本当にコンディション不良でのベンチ外であれば良いが、報道では監督との対立から移籍を志願しているとのまでいわれている。

そんなディーニュの移籍願望を裏付けるように、新しい左サイドバック獲得の噂が出ている。ジャーナリストのファブリシオ・ロマーノ氏によればディナモ・キエフのDFヴィタリー・ミコレンコ(22)との交渉が進んでいるようで、ほぼ合意に達しているとのこと。

ディーニュ放出となればビッグクラブは黙っていないだろう。移籍金の目安は分からないが、サイドバック不足のマンチェスター・シティやベン・チルウェルを怪我で欠くチェルシーらが獲得に手を挙げる可能性はある。

選手と監督が衝突し、悪い雰囲気となってしまっているエヴァートン。期待の若手獲得も悪くないが、ディーニュ放出はもう少し慎重に考えるべきだ。

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