「資金力あった90年代のセリエAは支配的だった」 CLで優勝候補になれぬイタリア勢の復活はいつだ

ミランはグループ最下位でフィニッシュ photo/Getty Images

イングランド勢とは大きく差がついた

王者ユヴェントスの支配が終わったこともあり、優勝争いが盛り上がるセリエAへの注目度は明らかに増した。激戦のセリエAを楽しんでいるサッカーファンも多いだろう。

しかし、レベルそのものはどうなのか。今季もチャンピオンズリーグ・グループステージが終わったが、国内で優勝争いに絡んでいるミランはあっさりグループ最下位に。リヴァプール、アトレティコ・マドリード、FCポルトと同居したグループを突破するのは困難だったか。

インテルとユヴェントスはグループ通過を決めたが、どちらも優勝候補に挙げるのは難しいだろう。特にユヴェントスは国内で大苦戦しており、チーム再構築の段階だ。決勝トーナメントでは1つ勝てるだけでも上出来となるのではないか。
注目の攻撃集団アタランタも最終節でビジャレアルに2-3で敗れてしまい、グループ3位に。チャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出はならなかった。

ヨーロッパリーグの方に目を向けると、今季序盤のリーグ戦で見事なスタートを切ったナポリは惜しくもグループ2位に。今季からはチャンピオンズリーグ・グループステージ3位だったチームとプレイオフを戦う必要があり、それに勝てなければヨーロッパリーグ決勝トーナメントには進めない。まだ可能性はあるが、スクデットを狙うナポリがロシアのスパルタク・モスクワにグループ首位を譲る形となったのは少々残念だ。

ラツィオの方もトルコのガラタサライに首位を譲っており、こちらもプレイオフに回る。

伊『Calciomercato』は、今季も欧州カップ戦でのイタリア勢は低調だったと振り返る。イングランド勢、バイエルンといったチームとはまだまだ差がある印象だ。

特にイングランド勢の強さは凄まじく、直近4シーズンのうち3シーズンはイングランド勢がファイナルまで進出している。しかもそのうち2シーズンは決勝がイングランド勢対決だった。今季もリヴァプール、マンチェスター・シティ、チェルシーのいずれかが決勝へ進んでくる可能性は高い。

やはり資金力も大きいだろう。SNS上では「資金力ががあった1990年代のセリエAは支配的だった」とのコメントも寄せられており、1990年代のサッカー界はセリエAを中心に回っていたと言える。

UEFAチャンピオンズカップ時代も含めると、1990年代は7シーズン続けてイタリア勢がファイナルへ駒を進めている。そのうち勝ったのが2回だけというのは少々寂しいが、それでも毎シーズン決勝を狙えるチームが揃っていたのだ。

そこから考えると、スペインやドイツ、イングランド勢に主役を奪われていったのは悲しいものがある。今季も優勝候補と呼べるイタリア勢は存在せず、まだ欧州トップへ返り咲くには時間がかかりそうだ。

2009-10シーズンにインテルが優勝してからはユヴェントスが2回ファイナルへ進んだが、どちらも敗北。また、当時もユヴェントス以外のイタリア勢はチャンピオンズリーグで思うように勝てなかった。

再びイタリア勢が世界の主役となる時はくるのか。優勝候補にイタリア勢の名前が上がらないのは、やはり物足りない。

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