カウンターを仕留められれば楽に勝てていた? マンCの悩みの種となる速攻での決定力

前半は圧倒していただけに勝てた試合を落としたか photo/Getty Images

カウンターにあまり怖さがない

先制されるも2度追い付き、2-2の引き分けに持ち込んだマンチェスター・シティ。リヴァプールのホームであるアンフィールドということを考えても、勝ち点1を拾えたのは上出来か。

普段のフォーメーションである[4-3-3]でアンフィールドに乗り込んだマンC。序盤は相手のハイプレスに苦戦するも、安定した後方からの組み立てで主導権を握り、ゲームを支配していた。攻められた後は守護神エデルソン・モラレスからの素早いリスタートからカウンターで敵陣に入るシーンも何度か見られており、好機を演出し続けた。

しかし、素早いカウンターの質は低かったか。特に左サイドのフィル・フォーデンにボールが渡った際はボックス内で勝負するのか、はたまたボックス外からのミドルシュートで仕留めるのか曖昧であり、何度かチャンスを逸している。試合を通じて人数有利の鋭いカウンターが見られていただけに、アタッキングサードでの質の改善は必須だ。

解決策の一つは明確なストライカーを前線に置くことだ。カウンターが失敗する要因の一つにボックス内で脅威になれる選手が少ないことが挙げられる。この試合でもカウンターの際に左でフォーデンが持つ場面があっても、前線にはジャック・グリーリッシュやガブリエウ・ジェズスと空中戦や抜け出しで強みを持った選手ではなく、フィルジル・ファン・ダイク、ジョエル・マティプのボックス内での強度を考えればクロスの選択肢を一つ減らされることになる。そうなればドリブルでの突破か味方を待つことになるが、それではカウンターの攻撃力は半減することになり、実際にシュートまで持ち込めていないシーンが散見されている。ベンチにはゴール前で仕事をするフェラン・トーレスが控えていたが、彼をこの試合に投入しても面白かったか。

今季の悩みの種となりそうなカウンターの質。後方から相手をかわして簡単に敵陣にボールを運ぶことができるだけに、今のままでは非常に勿体ないサッカーとなっている。ストライカー獲得で解決しそうな気もするが、ジョゼップ・グアルディオラはどう問題を解決するのか。

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