昨季までチームを指揮したシモーネ・インザーギをインテルに引き抜かれるも、今夏はその後釜指揮官としてセリエAでの実績十分なマウリツィオ・サッリの招聘に成功したラツィオ。監督交代による不安材料はまだいくつかあるものの、新体制で臨む2021-22シーズンの彼らに期待しているファンは多いはずだ。
そんな新体制のラツィオだが、新シーズンを戦うにあたって同クラブの最重要人物は誰か。FWチーロ・インモービレなどを挙げる人もいるだろうが、MFセルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチもまた有力な候補であることは間違いないだろう。2015年夏に弱冠20歳でヘンク(ベルギー)から加入した男も、もう26歳。中盤の要としてだけでなく、今季の彼にはチームリーダーとしてもラツィオを牽引していくことに期待がかかる。
そして、そういった周囲の期待はミリンコビッチ・サビッチ自身も強く感じているのだろうか。今季の同選手は、ピッチ上でこれまで以上に頼もしい姿を見せている。現地時間21日に行われたセリエA開幕節のエンポリ戦にて、この長身MFは随所で好プレイを披露。6分にはCKの流れから自慢の高さを活かしたヘディングでゴールを奪い、31分には正確なスルーパスでマヌエル・ラッザリの逆転ゴールをアシスト。2021-22シーズンのミリンコビッチ・サビッチは一味違う。70分間のプレイで、彼にそんなことを感じたラツィアーレもいただろう。そんななか、選手本人もチームが変化の時期を迎えた今季に対する熱意を次のように語っている。
「新体制になって、以前よりも責任感は生まれているよ。僕がやらなくちゃという気持ちがある。新しい監督のためにもね。前より走るようになったことや、ボールプレイの時間が増えたことも影響しているのかもしれない。MFとして、今のサッカーは本当に楽しいよ。順調なスタートを切れて嬉しい。今季はトップ4でフィニッシュしたいね」(伊『Gazzetta dello Sport』より)
着実にリーダーとしての自覚が芽生えているミリンコビッチ・サビッチ。はたして今季、精神面とプレイ面の両方でこの26歳はチームを力強く牽引することができるか。サッリ体制でトップ4入りを目指すラツィオでは、ミリンコビッチ・サビッチのさらなる成長に注目だ。